CD バッファーアンプ
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CDやMDなどデジタル機器とパワーアンプの間に入れる バッファーアンプで、
真空管一本と出力トランスを通すことにより、 いわゆるデジタルの音から
アナログの音に変身させる効果があります。
使い勝手を考慮して入力は3系統切替、音量調節のみのシンプルなアンプです。
過去に何人かの人から依頼を受け、そのつど諸般の理由から お断りしてきましたが、
今回、大阪・豊中市のY氏からたってのお願いということで 製作してみましたところ、
音質・性能など十分納得のいくものに 仕上がりましたので当工房の作品に加えます。

(価格、仕様の変更などについてはお問い合わせください)

あらたにVUメーター付きのヴァージョンを
弘前市のAさんからの依頼で 製作しましたので画像を追加しました。

VUメーター装着モデル

回路図

測定結果

ユーザーレポートその1

ユーザーレポートその2

ユーザーレポートその3

Front view

真空管は外来ノイズに強いメタル管、その中でも信頼性の高いRCA5693を採用、 前面に配して真空管アンプならではの雰囲気を大切にしました。

Top view


Rear view


inside

入力切替は後部端子の直近で行いシールド線の引き回しによる 信号鮮度の劣化、クロストークなどの弊害を避けています。

VUメーター装着モデル

本体幅は80mm増えて約320mmです。メーターには 山本音響工芸の MU−38を使用、白色LEDを内蔵して視認性を向上させています。

同モデル内部

中央右寄りにメーターアンプの基板が追加になりましたが その他は前作モデルと同一回路、部品を使用しています。

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)



増幅は5693の三結に5mA程流して内部抵抗8KΩ、 増幅率約15で使用、
出力トランスNP−126で 600Ωの低インピーダンスにて送り出しています。
電源部は整流管使用、LC1段+CR2段のフィルターで リップルは皆無、5693はDC点火です。
ご本人が後々手を加えながら音の違いを楽しみたいということで、 とくに凝ったパーツは使っていません。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

CD バッファーアンプ 測定結果

入力インピーダンス  100KΩ
出力インピーダンス  600Ω
基準出力電圧  1V
入力感度 280mV
最大出力電圧 15V以上

歪率  0.3%以下(基準出力時)100、1K、10KHzとも

周波数特性
 0.5dB降下点 14Hz〜27KHz(Vol.最大位置)
             14Hz〜23KHz(Vol.−6dB点)
      3dB降下点 6.5Hz〜70KHz(Vol.最大位置) 
               6.5Hz〜65KHz(Vol.−6dB点)

残留ノイズ
 0.1mV以下(補正なし)       0.08mV以下(聴感補正A)
S/N比  80dB以上(基準出力に対して)
ともに入力オープン時

チャンネルセパレーション
  L→R 75dB  R→L 83dB  (1KHz)
        68dB      68dB  (100Hz)
      62dB      71dB  (10KHz)
クロストーク
CD→MD,CD→AUXともに78dB以上(Rch)
               90dB以上(Lch)
ともに測定端子は1KΩにて終端

ユーザーレポートその1

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
・・・ほぼ毎日2〜3時間位聴いていますが、Tossieさんの言われたとおりに 直結に比べて音に厚みが増しました。

ピアノもギターも管楽器も、もちろんヴォーカルもすべてにおいて底上げされた様な感じです。
同じ曲を直結、バッファーアンプ経由と、何度も繋ぎ換え、聴き比べて感じたことは、 音に温度のようなものがあるとすれば、直結はやや冷たい感じがし、バッファーアンプ経由は 温かい音でとても心地よく音楽が楽しめます。

製作をお願いして、本当に良かったと思っております。

大阪・豊中市のYさんからのレポートと写真です。偶然にも300Bアンプの EF37A、バッファーアンプの5693ともに真っ赤な球で いい感じで揃いました。

ユーザーレポートその2

 Valve's World様には、これまで71AppアンプとPX4シングルアンプで とてもお世話になり、いずれも丁寧で良質な製品で大変に満足して おりました。
ただ、これらはいずれもパワーアンプであり、できれば プリアンプかバッファーアンプが欲しいとずっと思っておりましたので、 今回の商品にはHPで拝見してすぐに問い合わせをさせていただきました。

 実際に作っていただいたバッファーアンプは、いつもながら丁寧な作りで、 思ったより小型で場所もとりません。
さっそく上のアンプにとりつけて みましたが、直結でつなぐのと比べて明らかに音が深まりました。
バッファーやプリは要らないという主張もありますが、このアンプを使うと それらの主張は私には全く的外れのように思えます。

 面白かったのは、安価な半導体プリメインアンプにとりつけてみたところ、 うるさいばかりと思っていたこのアンプから、とても上質の音が出てきた ことです。
その変化は、むしろ真空管パワーアンプのときよりも大きかった かもしれません。

いずれにしても、とても魅力的な製品を(手軽な価格で)入手できたこと にとても満足を覚えております。
ありがとうございました。

以上、以前に 71Aトランス結合PPアンプ PX4トランス結合シングルアンプ を購入いただいた東京武蔵野市 上田様からのレポートです。

ユーザーレポートその3

 今回もまた物欲が湧き Tossieさんにお願いしてしまいました。

時折覗く(実は しばしば覗く が正しいのですが) Tossieさんのホーム・ページで バッファー・アンプが  ずっと気になっておりました。
最近のValves’Worldの顧客層のレベルが ハイにシフトし、 わたしのようなマニアはずれは ついていけなくなるのではないか と あせって、ついにTossieさんに連絡。
 “Kさん、最後の一台 まだ作れるよ。”と ありがたいお返事。
今回の物欲は これまでお願いしたメイン・アンプと並べたら カッコイイーだろうな〜 という邪念と、常用の安いケーブルを 長々と引き回しても いいのではないか という思いです。

 さて 音ですが、常用アンプや、非日常用PPアンプに いろいろ つないでみた結果、いずれも 音がぶ厚くなる、生々しくなる とでも表現したらいいのでしょうか、一言でいえば、 私の耳には リアリティーが増したように聞こえます。
言葉では うまく表現できませんが、いいですねぇ〜。
本当に ありがとうございました。 これからも ますます御活躍されることを祈念しております。

以上が感想ですが、 最後に 音に直接関係ない妄想・妄言を一言。

 Tossie作のトランス・ドライブ2A3シングルとならべて 聴いていますと、ヒーターに熱せられてアチチッと飛び出した電子ちゃんが、 電子回路が3段、磁気回路がスピーカーのボイス・コイルを含めて4段、 NFBという制御・拘束を何も受けずに次々とリレーしながら、最後に ボイス・コイルのなかで揺さぶられて、 その結果を わたしがウットリと聴いている。
と あらぬ妄想にひたりながら、ウィスキーを舐めています。

以上、過去に2A3、KT44、VT62の各アンプを 購入いただいた東広島市のKさんからのレポートです。


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