71A トランス結合 プッシュプルアンプ |
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オークション出品時の説明文より抜粋 |
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・・・・しばらく現代管アンプが続きましたが久々に古典球アンプの出品です。
1920年代にラジオの音声出力用として多用された71Aはその独特の
繊細な表現力でミニパワーにもかかわらず根強い人気があります。
今回は現代の低能率スピーカーをも視野に入れてプッシュプル構成とし、
かつ71Aの音色を損なわないようトランスドライブとしました。
回路は故・浅野勇氏のコピーで私のオリジナルではありません。
氏のアンプに使われていたドライバートランスLux3657Pを
随分捜しましたが、もはや入手不可能なようで同規格の3156Pを
やっと見つけ、なんとか原回路に近いものとすることができました。
回路は氏に習って低μトライオード2段の電圧増幅、前記のトランスによる ドライブとなっています。 出力トランスはこれも現在入手困難な山水W-10-8という10Wクラス・ インピーダンス8KΩのプッシュプル用トランスです。 使用真空管は71AがRCAとSylvaniaのそれぞれ二本づつ、 これは内部構造が全く同一で恐らく同じ製造だと思われます。 前段の37と76二本づつはRaytheonで以上8本はすべて 新品です。整流管80のみは中古のTVC製KX80となっております。
なお、このアンプの再生音ですがいわゆる現代的な広帯域アンプとは
趣を異にするナローレンジアンプです。
データを見ていただいてもおわかりいただけるように、低域・高域に
それぞれ癖がありますし、とくに20KHz以上はもう蚊帳の外です。
ところがこれが聴いてみると意外な新鮮さ与えてくれます。
ソースによっては心地よい感動を与えてくれる音色です。
メインのシステムというよりは2台目、いつもとちょっと違う
雰囲気で音楽を楽しみたいという方にサブアンプとしてお奨めします。
このあたりのこともご理解いただける方を希望します。
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Front view
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Top view
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Rear view
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inside |
全高調波歪率
前段で軽くNFBを使用したため、
1Wまでは1%以下の歪率を保っています。
周波数特性およびダンピングファクター
低域は30〜40Hzにかけて0.5dB、高域では10KHzを中心に
約1.3dBの盛り上がりがあります。これはドライバートランスLux3156P
の特性そのもので、このアンプの再生音のキャラクターを
決定付けています。この特性は76との結合コンデンサー0.22μFおよび
2次側のダンプ抵抗150KΩの調整でさまざまに変化します。
一応無難なところに設定しておりますが、いずれも取替えの容易な
場所にありますので興味のある方は挑戦してみてください。
ダンピングファクターは全帯域にわたって約1.9で、
やや低めですが可もなく不可もなしといったところです。
ユーザーからのメールによる評価です。 (ご本人の許可を得て掲載しております) |
「古典球の71Aに加えてヴィンテージパーツも使ったトランス結合という、 市販品では絶対にあり得ない組合せがとても魅力的に映りました。 実際に製品をお送りいただき、その作りも大変に丁寧で感心いたしました。 肝心の音ですが、2Wの出力は普通に聞くには十分な気がします。音質は、 もっとクセがあるのかと思っていたのですが、端正というべきか、むしろ 素直に、かつ優しく聞こえます。全く押し付けがましくないので、長時間に わたって聞いていても耳が疲れるということがありません。でも、決して 弱い音には聞こえないのが不思議ですね。 とても良い品物を購入できたと思います。」 |
以上、東京武蔵野市 上田様からのレポートです。 某大学の教授である氏はこのアンプをご自分の個人研究室に持ち込んで 楽しまれておられるそうです。 |