845シングルステレオ
トランス結合300Bドライブ

石川県金沢にお住まいのOさんからの依頼品です。
24畳の 専用オーディオルームでJAZZを存分に楽しまれていますが、
その環境で実力をいかんなく発揮できるよう知恵を絞りました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


いつもより写真が多いですが、気軽に動かして眺め回せる重さではないので、
この機会に四方八方から写してみました。

Front view

ウッドケースはいつもどおりチーク無垢材のオイル仕上げですが、 サイズも大きいため通常より厚みを増しました。

Top view
前方から

以前製作した 45ドライブ845とほぼ同じレイアウトですが、 ドライバートランスが大型のためサイズは一回り大きくなりました。

Top view
後方から

本体サイズは530Wx380Dx280H、総重量40Kg
一人で持ち上げられる限界です。

Side view
左側面

845のソケットには金メッキ品を使いましたが、 それに合わせて取付けネジなどの頭をカバーする、同じ金メッキの 小物を使用しました。

Side view

右側面

Rear view

入出力端子はそれぞれ2系統装備、2台の出力トランスの間に 切替スイッチなどを配置しました。

Bottom view

総重量40Kgと横綱級ですので、底板もそれに耐えられるよう 3mm厚のアルミ穴あきボードを使用、 4隅の足は硬質フェルト。

inside

内部拡大写真は こちら

今回は部分アップなど多数の写真を追加しました。 ちょっと重たいかも知れません

回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)


基本的には前作45ドライブやVT62ドライブと同じで、
初段5693は三結ではややゲイン不足、五結にしていますが
ゲイン調整と音の線が細くなるのを避けて負荷抵抗は低めに設定しています。
ドライバーに300Bを想定してタンゴに特注した低インピーダンス トランスが
威力を発揮、A2領域まで強力にドライブしています。
トランス結合にもかかわらず軽度のNFB処理をしていますが、
お聴きになるソースやSPシステムを考慮してダンピングファクターの 向上を意図したもので、
安定性については問題のないレベルに 抑えてあります。
高圧電源部は例によってダイオードと整流管によるブリッジで 遅延回路を設け出力管の保護、
平滑部は寿命の短いケミコンの使用を排し、 高圧フィルムコンで長期安定動作を確保しています。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能
出力 25Wx2 所要入力 1000mV
全高調波歪率 0.5%以下(1KHz1W時)
再生周波数帯域 10Hz〜30KHz(±1dB)
残留ノイズ 1mV以下
ダンピングファクター 7.7

入出力特性

入力1Vで定格出力25Wが得られ、標準的な入力感度です。

歪率特性

この規模ですと10数Wが標準出力ですが、
強力なドライバー段により A2領域まで駆動、飽和出力は30Wに達します。
また、A1領域からA2への移行もスムースに行われているため
歪率の急激な悪化も見られません。

再生周波数帯域

可聴帯域は十分に確保、ダンピングファクターは全帯域にわたって
7.7と真空管シングルアンプとしては高目を維持しています。

ユーザーレポート

納入後約2週間の第1回目レポートをご自身のホームページ
http://www.okamoto-arch.jp/audiof11.htmに掲載されています。
オーディオその他の情報も満載です。ぜひご覧ください。
1月半ばには第2回目もあるそうですので期待しています。


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