E406N シングルステレオ 
高電圧動作


以前 PX25アンプの改装を依頼された山口県光市のKさんから、
このE406Nも一緒にお預かりしていました。
PX4系の出力管として紹介されていることが多いですが、
数年前の作例でも記したように、 この球は高電圧使用に対応するよう
設計されており、 アンプとしての性能・特性もその方が
より好ましい結果が出るので 今回も同様の設計で進めてみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view

このアンプの少し前に CDバッファーアンプをお作りしましたが、 それと組み合わせて使うということで、サイズ・色・デザインなど統一してみました。



Rear view


先にお作りしたCDバッファーアンプとの組合せ

inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


回路は以前の物とほとんど同じですが、お預かりしたE406Nは
少々お疲れのようでしたし、オイルコンなども耐圧一杯で使うより
少し余裕を持たせる意味もあってB電圧は前回より5%ほど下げています。
それでも通常の低電圧動作に比べて2倍以上の出力は確保できますし、
音質的にも高域の繊細さが増して好ましい感じです。
出力管のバイアスが深いので初段EF37Aには高い出力電圧が要求されます。
従って増幅率より出力電圧に重きを置いてプレート負荷を決定しています。
また、もともと低域を欲張れる出力管や出力トランスではありませんので、
カップリングの時定数は大きくとっています。
なおB電源のデカップリングコンデンサー20μFには EF37Aが動作するまでの
数10秒間高圧が印加されますので 500V耐圧の使用が望ましいです。
ブリーダー電流をもう少し増やせば解決できますが、
それにはチョークコイルの電流容量がネックになっています。
例によって電源トランスはイレギュラーな使用法ですが、
長時間テストの結果にもなんら不具合は認められません。
高電圧小電流の電源トランスなど市販品になくお困りの方お試しください。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 4W+4W 所要入力700mV
全高調波歪率 1KHz1W時 1%以下
再生周波数帯域(±1dB) 18Hz〜20KHz
ダンピングファクター 3.1 
残留ノイズ 0.3mV以下(VOL最大 入力端子1KΩ終端 補正なし)
本体サイズ 375Wx215Dx180H
重さ 10KG

  入出力特性

歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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