PX25 シングルステレオ
リメーク

山口県光市のKさんから、古いアンプを譲り受けたが良いパーツを使った いいアンプらしいので
この先安心して使えるよう、またこのさい好みのスタイルに 改装をという依頼でした。


before

当工房に届いた時の写真です。
使われているパーツなどから判断して 製作後おそらく40年は経っているものと思われますが、
タムラの出力トランス、マリックのインターステージ、 ラックスのチョーク、タンゴの電源と
当時かなりの費用をかけて 作られたもののようです。
ただしケミコン類はすべて容量抜け、 カップリングはリーク状態で使用に耐えません。
その上、当初からの設計かどうか不明ですが、現状では
前段とインターステージとのマッチングが取れていなくて
(6SJ7 5結で内部抵抗約数百KΩ以上に対しマリックの1次インピーダンス10K)
低域レスポンスはまったくなく、高域にはピークのある音でした。


after

マリックのインターステージがカップリングのDC洩れで磁化してしまっていましたが、
時間をかけて消磁、何とか復活させることが出来ました。
その他のトランス類は正常で、これらを含めて再利用することにしました。
とにかくこの先安心して使えるよう、抵抗・コンデンサー類は一新、
とくに電源部にはオイルコンを投入して長期安定動作を目指し、
肝心のマリック インターステージとのマッチングは
ドライバーに ML6を採用して最適化を図りました。
おかげでPX25の持ち味である艶と気品に溢れる音色が甦りました。
サビなどの出ていたトランス類は再塗装の上、 ご要望の部品配置や
シャーシ色で仕上げ、改装なったアンプは ウッドケースに収めました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

電源部を中央、アンプ部を左右に配したシンメトリーな配置

Top view

マリックのトランスは元の色がいい色でしたし、再現が難しいので キズのあった所だけタッチアップで処理しています。

Top view

シャーシ後部には端子やスイッチがたくさん並んでいますが、 出力トランスF2003が8Ω/16Ω併用できない構造のため その切替と、出力管PX25の動作状況を把握するための バイアス電圧チェック端子などです。

Rear view


inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


測定結果

基本性能
出力 6W+6W 所要入力1700mV
全高調波歪率  0.5%以下(1KHz1W時)
再生周波数帯域 15Hz〜38KHz(−1dB)
ダンピングファクター 2.1 
残留ノイズ 1mV以下

  入出力特性

歪率特性

再生周波数帯域

ユーザーレポート


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