811A ダイナミックカップルド アンプ
シングル ステレオ

佐賀県唐津市のYさんから昨年秋にいただいた相談は、天然木のベースにアンプを
組み込んでもらえないだろうかという、ちょっと奇抜なアイデアでした。
面白そうですし、私も興味を引かれたので色々相談の結果、 材料の手配と
アンプを組込む部分のくり抜きまではやっていただけるということでしたので とにかく挑戦してみました。
そのウッドベースが出来上がって当方に届くまでの様子を別ページに 紹介しましたので、
興味のある方はまず こちらをご覧ください。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

ご本人は岬の突端に立つ灯台をイメージされたそうですが、 それらしき雰囲気もなんとか出せたようです。

Top view

トランス類はタンゴで統一、アンプとしてはいつもどおりの構成ですが、 ドライバーに41、初段に717Aと球の姿形にも拘りました。

Rear view

後部と底面には放熱用の穴が多数あけられています。

ウッドベースから取り出したシャーシ

そのまま机の上において点検など出来るように長い足を付けてあります。

ウッドベースから取り出したシャーシ(後から)


inside

シャーシというか、単に1枚のアルミパネルですから、組立や配線は 狭い思いをせずに楽をさせていただきました。

内部拡大写真は こちら

基本回路図


基本的には今までのダイナミックカップルドアンプと同じですが、
ウッドベースの雰囲気に合わせてドライバーに41、初段は717Aと球の姿態に拘りました。
電源トランスMX−280使用の場合はこれまでB電圧を稼ぐためダイオード整流にしていましたが、
今回多少の出力低下は了承頂いて整流管仕様とし、
結果的には約2〜3W程度の出力減少となりました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能
出力 11Wx2 所要入力 650mV(950mV)
全高調波歪率 0.5%以下 1W時全帯域
再生周波数帯域 20Hz〜20KHz ±0.5dB
残留ノイズ 1mV(0.6mV)以下
ダンピングファクター 約1.7(3.0)
カッコ内はNFB12dB時

入出力特性

音の違いを確かめてみたいということで、NFBの強弱スイッチを 設けたため、
入力感度は8dBで650mV、12dBで950mV程度になります。

歪率特性

もともと素直で低歪のアンプですから4dBの差はそのまま下方に移動した形になります。

再生周波数帯域

12dBでやや高域が伸びるのと、20Hz付近に僅かな(0.5dB)のふくらみが現れますし、
ダンピングファクターも1.7から3強に増えますので、
使用するスピーカーによっては はっきりと違いを感じることが出来ます。

ユーザーレポート

ギャラリーへ戻る