Valves' World 番外編その53
LUX A3550 改修例

 今回東京・世田谷のUさんからお預かりしたのは、LUXの高級キットモデルA3550でした。 過去の例同様青春時代に組み立てられた思い出のアンプですが、 前作KMQ60の改修例をご覧になられて、これもぜひということになりました。  


 改修なったA3550アンプが、 下の写真です。

 例によってシャーシは全面的に作り替えましたが、 元々KMQ60の部品配置が気に入っておられたので、 このさい同じような配列でトランスや真空管を並べてみました。 当然当工房特製のウッドケース仕様で、 オリジナルのボンネットも使えるようにしてあります。

 前方スペースは、中央に電源スイッチ、そのとなりに 3結・ULの動作切替、左右に 入力VOLとしました。パイロットランプはいつものように、 前面当工房エンブレムの真空管マークがが光るタイプです。
 

 ウッドケースのいつもちょっと違うところは足元、 A3550についていたメタルベースをぜひ採用ということで、 ケース構造を若干変更しています。


基本回路図

 電源回路に整流管採用をというご希望でしたので、本来ダイオード ブリッジ整流のところ6BY5を二本組み合わせたハイブリッドとしました。 このためスペース確保もあり、前段は6AN8一本で構成しています。 その他寿命の短い電解コンでサーを排し、フィルムコンを採用、 出力段は固定バイアスAB級動作からセルフバイアスA級動作に変更、 バイアス抵抗は各球ごとに設け、チェック端子も備えています。 またEL34との差替え使用、三結・ULの動作切替などなど、 ご要望のほとんどを取り入れてみました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。 データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが、お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能(カッコ内は三結時)

出力
6550A使用時 
24(15)W+24(15)W 所要入力 1100(900)mV

EL34使用時 
20(15)W+20(15)W 所要入力 1000(900)mV

    以下6550A・EL34共通
1KHz 1W時 全高調波歪率 0.05(0.1)%以下
再生周波数帯域 5Hz〜38KHz
ダンピングファクター 4.8
残留ノイズ 0.5mV以下

消費電力 180W
本体サイズ 490Wx280Dx210H
重さ 18KG

  入出力特性

出力対歪率特性


周波数特性

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 A3550改は誠に快調です。

 オリジナル時代にはどうセッティングしても硬くて聴きづらさを感じていたのです が、 改修していただいた途端に、これが同じ球とOPTから出てくる音かと我が耳を疑う ほど、劇的に変化しました。改修をお願いした際には、小生の音の好みをまことに拙 い文章でしかお伝えできなかったにも拘らず、それを山中様が的確に捉えて下さっ て、全く新しい作品に仕上げていただいことを本当に感謝しています。

 これもまたボキャブラリー不足で情緒的な表現ですが、このアンプの音には優しさを 感じます。癒し系と言ったら語弊がありそうですが、十分な解像度を持ちながら、耳 障りなところが微塵もなく、聴き疲れせず、いつまででも聴いていたいと思う音で す。 やかましさがないので深夜でもついつい音量を上げてしまい、たびたび家人に叱られ るようになってしまいました。深夜対策として、現在お願いしている71Aヘッド フォンアンプが威力を発揮してくれることと、次作の到着も楽しみにしております。

 以前から山中様のホームページを拝見し、山中様の作品については自分なりのイメー ジを膨らませていましたが、今回初めてお願いしてみて、やはり大正解だったと思っ ております。これからも魅力的な作品を生み出し続けていただくことを願って止みま せん。

以上、Uさんからいただいたレポートでした。
 



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