Valves' World 番外編その20
CDバッファーアンプ薄型スタイル
LOWブーストコントロール付き


以前EL156/KT88アンプを作らせていただいた千葉県市川市の Nさんから、
A20薄型バッファーアンプにLOWブーストの機能を 加えて欲しいとの依頼でした。


デザインは前作と同一ですが収めるラックの都合で幅は330mmに抑えました。
左から電源スイッチ、出力切替選択、入力ボリュームそしてLOWブーストスイッチです。
(330Wx215Dx80H)


入力は1系統のみで出力3系統は通常のパラレルでなく選択式です。


右下ラグ端子板が追加されたLOWブースト回路です。

基本回路図

基本回路は番外編No.14と同一で、入力ボリューム−グリッド間に
0、+3、+6dBの パッシブ型LOWブースト回路を挿入してあります。
このため全体のゲインは約3分の1に減少しています。



基本性能

入力インピーダンス  100KΩ
出力インピーダンス  3.3KΩ
基準出力電圧  1V
入力感度 330mV (ゲイン9.6dB 約3倍)
最大出力電圧 15V以上
歪率  0.1%以下(基準出力時)100、1K、10KHzとも
再生周波数帯域  15Hz〜20KHz (-0.5dB)
  残留ノイズ 0.06mV(補正なし)

     
パッシブ型ですので入力ボリュームの回転位置による特性の乱れが懸念されましたが、
いずれの位置においても変化量の変動などは見られませんでした。


ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 このCDバッファーアンプが我が家のオーディオシステムに加わって、ほぼ1か月が経ちました。その印象を記してみたいと思います。 まず、運送途中などで故障していないか確かめるため、到着後直ぐに音出しをしてみました。 正直言って、驚きの音でした。同じ音量でも、音の厚みがグッと増した感じなのです。特に、これまでより低域がしっかりし、ベースの音がリズミカルに弾けるのです。かと言って、輪郭がぼけてしまったり、バランスが崩れてしまうわけでは決してありません。まさしく、メリハリがハッキリし、臨場感が増した印象です。きっと、これがUTC A20の威力(個性)なのでしょう。そして、その印象は、今でもまったく変わりありません。 せっかく山中様に、色々と実機での回路実験や音質への悪影響の検証をしていただき、LOW BOOST回路を付加していただきましたが、不思議と小音量でも音やせがあまり感じられなくなり、普段はOFFのまんまです。 山中様からは、「A20のカップリング・コンデンサーの誘電体の種類や構造でまた音が変わってきます。機会があったら試してみてください。」とのアドバイスもいただいています。こちらも、いずれチャレンジしてみたいと思います。 いずれにしても、山中様の手によって、このA20の威力を最大限に引き出すラインアンプが出来上がったのは間違いありません。特に、ジャズがお好きな方には、ぜひ一聴していただき、「ここまで変わるのか」というのを実感していただきたい音です!(貴重なA20が、これからも順調に手に入るのでしょうか、それが心配ですが…。)

以上、千葉県市川市のNさんからいただいたレポートです。

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