Valves' World 番外編その18
フォノEQ付きプリアンプ最新モデル

 大阪・箕面市のNさんからのご依頼で製作した フォノイコライザー付きプリアンプの最新作です。 


 少し小さめにということでパネルサイズ390x110でまとめてみました。


 入力はフォノとラインそして出力がそれぞれ2系統づつ


 高さを低く抑えるため今までの二重シャーシは廃して、 底板の上にじかに組みつけています。今まではシールド板で電源部を 囲い込んでいましたが、気休めのような感じもありましたし、思い切って なくしてみました。結果的には何ら影響なくハムなどの心配もありません。 電源トランス自体のシールドなどが向上しているのでしょう。 なお今回はシールド線の使用も極力減らし、唯一バランスVRから フラットアンプへの入力部分のみに使用しただけで、あとは通常の ビニル電線です。ただしこの線はまとめて結束するとクロストークの悪化を 招きますので、見栄えは悪いですが写真のようにバラけたままで ケースの隅を這わせておきます。  また、フォノ入力切替は入力端子直近、ラインはパネル面と振り分けていますが、 2個のロータリースイッチを延長シャフトで連結してワンアクションを可能にしました。


 CRパーツ取り付けや配線も上から見たまんまですから、 シャーシの裏側で左右反対に間違って取り付けてしまうという 失敗(私だけでしょうか?!)もありません。
 プリアンプではアースポイントの設定がノイズレベルに大きく影響し、 最適ポイントを見つけるのは勘が頼りですが、今回はプリント基板に並べた 4個のケミコンの一番端(上の写真でケース左側板寄り)です。


 真空管周りの取り付けの様子。ソケットはスペーサーで20mmほど浮かせ その周りに端子台を配していますが、これでケースの高さは電源トランスの 厚み分10cmで収まります。あとトロイダルコアの薄型トランスが手に入れば もっと薄く出来るのですが、市販には電流容量の小さなものしかなく、 このアンプのように60〜100mAクラスのものが見当たりません。
 このアンプに欠かせない6DJ8は今まで使ってきた東芝製が底をついたので、 いよいよ虎の子松下製の出番です。今までの経験からこの6DJ8に関しては 国産球がかなり優秀で、値段のべらぼうな舶来球よりまっとうなものが多いです。 これの高信頼管といわれる6922はノイズが多くすべて不合格でした。 ただ、この一連のプリアンプアンプでは特殊な使い方をしていますから、 そのことは差引いて考えねばならないとは思います。

基本回路図



基本性能

入力インピーダンス
  PHONO  47KΩ   CD、TUNER 100KΩ
出力インピーダンス  1.6KΩ
基準出力電圧  1V
入力感度
   PHONO 4mV  CD、TUNER 160mV
PHONO許容入力電圧
 許容歪率0.1%時 50mV
 許容歪率1%時 300mV
 許容歪率5%時 700mV
最大出力電圧 15V以上
歪率  0.03%以下(1KHz基準出力時)
RIAA再生周波数偏差  ±0.5dB以内 (20Hz〜20KHz)
残留ノイズ  0.8mV(補正なし) 0.16mV(JIS−A)



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