STC4212アンプなど過去に大型アンプを多数ご依頼いただいている 兵庫県龍野市のMさんからWEのライン出力トランスと ECC32がたくさんあるので、これで プリアンプをというご相談でした。 |
大型VUメーターの採用などデザイン面でもこだわってみました。 |
操作ツマミは左上がライン出力切替でA、B、A+Bの3系統、 右上は入力セレクターでラインレベル4系統とPHONOの切替、 下段は左からトーンコントロールのHiとLo、 メーター下2個の大きなツマミがVOL、その間にあるのは メーター感度切替、右2番目はPHONOのMMとMCおよび MCインピーダンス切替、右端がMODEスイッチです。 |
筐体内部上面 左がWEのライン出力トランス506A、右は橋本の MCステップアップトランス HM−Xです。6本並んでいる 真空管はすべてECC32、左端の小さな基板はメーターアンプ。 |
筐体内部裏面 左上がイコライザー部でいつものような部品実装方式ですが、 ソケットが大きい分作業は楽です。その下のバッファー用の 2段NF回路からトーン回路を通って中央の出力段につながります。 お馴染み東京光音のアッテネーターは2個使って両者を スリップベルトで連結、バランス調整も可能となっています。 なお電源部別筐体のため本体内にノイズ発生源はありませんので、 内部配線にシールド線は一切使っていません。 |
電源ユニット内部(下記回路図の破線で囲まれた部分) 電源も6EM7を使った安定化電源でちょっと凝ってみました。 整流管はWE412A、基準電圧回路はツェナーダイオード でもOKですが、2次降伏領域を使うため大量のノイズを 発生しますので、ここは定電圧放電管の方が有利です。 ECC32 6本で約6Aのヒーター電力を必要としますので 高圧トランスとは別にトランスを用意しました。 本体とは8Pオクタルのオス・メスコードで連結します。 |
回路はいつも6DJ8で構成しているものとほぼ同じで、
一部定数の見直しだけです。
ただECC32のH−K間耐圧が50Vしかありませんから
SRPPの採用は難しく、トーン回路手前の低インピーダンス出力が
必要な部分では2段NF回路を採用しています。 出力トランス506Aは、WE指定の回路など いろいろ試してみましたが、この回路と定数が最も マッチングが取れるようです。 電源部は先に記したように6EM7を使った安定化電源回路を採用、 電圧ドリフトの無いクリーンな電源を供給しています。 |
ラインアンプ部
入力インピーダンス 200KΩ
定格出力 1V 歪率 0.1%以下
ゲイン 10dB (約3倍)
出力インピーダンス 250Ω
残留雑音 0.2mV以下