811AダイナミックカップルドPP |
モノラルx2 |
前回3C24でシングルアンプを作らせていただいた千葉県市原市 のKさんから、今度は811Appのご依頼ですが、 どうやら送信管アンプの魅力にハマっておられるようです。 |
Front view 808使用時
トランス類はすべてISOですが、Kさんが以前ご自身で作られた
2A3PPに使っておられたものです。
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Top view
レイアウトは色々相談した結果、811Appの第一作目No.88とほぼ同じになりました。
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Rear view
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内部拡大写真は こちら |
回路はダイナミックカップルドアンプ第一作目No.88と ほぼ同じですが、トランス類が前記のように2A3PPからの流用ですので、 B電圧などがやや不足しています。そのため出力は20W強と 少な目になっていますが、一般家庭用としてはこれで十分だと思います。 なお今回は前段に6EM7を使ってみました。 |
当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を
追求するアンプでもありませんが、お渡しするアンプの
健康状態だけは把握しておきたいと思っています。
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出力 21W 所要入力1700mV
全高調波歪率 0.2%以下(1KHz 1W時)
再生周波数帯域 5Hz〜50KHz(−1dB)
ダンピングファクター 1.3
残留ノイズ 1mV以下(補正なし)
消費電力 165W
本体サイズ 390Wx275Dx230H
重さ 15KG
入出力特性
出力対歪率特性
周波数特性
ユーザーからのメールによる評価です。 (ご本人の許可を得て掲載しております) |
ごくありふれたCR結合で2A3PPを自作し楽しんでおりました。
でも、何か物足りない感じで、面白い回路はないかとネットで探してたどり着いたのが、貴サイトの811Aダイナミック・カップルドです。
某オークションで811Aを手に入れてから、2A3PPを解体し使っていたトランス他パーツをもとに自作の道を進みましたが、シャーシー加工も面倒で、惚れ惚れするほど配線技術を持ち合わせてなく、悩んで、結局、バルブ・ワールドさんにお願いすることにしました。
頼んで半年後、完成したアンプを見て、改めて加工と配線を見て再認識しました。
さて、気になる?音ですが、 出力が大きいのでゆとりを感じます。そして、張りと気品ある高域、締りのある中低域は、ダンピングファクター低さが気になりませんし数値以上の+αを感じるアンプです。 試聴CDの「ウエイ・アウト・ウエスト」では、ロリンズの野性味ある太いテナー、シュリーマンのいぶし銀のドラミング、レイブラウンのカチとしたベースがよく聞き取れます。 古い録音のコレギウム・アウレウム合奏団では、ゆったりと流れる古典楽器の音がしっかり聞こえとても素晴らしいです。 特に、第3番の「アリア」は、何とも言えぬ儚さが漂う優しい演奏として聞こえます。 雅の世界を醸し出すと言った表現でしょうか? ボサノバで有名なジョビンのウェーブでは、ギターとドラムスの音離れがよく、ストリングスに包まれたジョビンの優しいメロディとリズムの切れにウットリです。 音源が古くダンゴになって聞こえてしまうCDですがそんなこともなく見事です。 球の専門家の前で気が引けるのですが、ちょっと球のお話を。 セトロンの811Aですが、トップとプレート構造は別としてWE-300に似ていると思うのは自分だけでしょうか? 300Bと比べると廉価な球ですが、煌々と輝くトリウム・タングステンのフィラメントとプロポーションは気に入っております。
試聴CD
試聴機材 今回も見て、聞いて、楽しいアンプを作っていただきましてありがとうございました。 吊るし柿アンプですが、アルテックよりも三菱P-610の方がよく合います。 サブ・アンプとして活用しておりますことをこの場をお借りしてご報告いたします。 次は、211シングル・アンプをお願いすべくパーツ集めを楽しんでおります。 また、素人の相談にお付き合いください。
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以上、千葉県市原市のKさんからいただいたレポートでした。 Kさんには前回 3C24シングル(吊るし柿アンプ)の時にもレポートを頂いております。 |