Valves' World 番外編その50


71Aプッシュプルバッファーアンプ

小出力モニターアンプ兼用

 過去に各種アンプを何台も作らせていただいている神奈川県平塚市のKさんからの 今度のご注文は、ナス管でまとめ上げたバッファーアンプでした。 71Aをはじめ27、37などのナス管、それにトランス類をご自身でお集めになり ご用意いただきました。構成は71Aプッシュプル、小出力の パワーアンプとして使えるようスピーカー出力端子も備えています。

 使用したトランスは出力がUTCのCG−19、ドライバートランスが LUXの6057X、どちらも丸型でナス管アンプにはぴったりの デザインとなりました。

 一番手前が2系統切替付きのライン入力端子、その上の大きなツマミが アッテネーター、次のツマミはその上にあるライン出力2系統をA、B、A+Bに 切替えるスイッチです。

 出力トランス端子の上にかぶさっているのは27のヒーター電源用 スイッチング電源、その上がいつも使っている東京光音の高信頼業務用 アッテネーターです。カップリングはすべてオイルコンで、 初段とドライバートランスの間がGUDEMAN、ドライバーと71Aの間には HOPKINSを使っています。電源部はオイルコンとフィルムを併用しています。

基本回路図

 回路はドライバートランスによる位相反転をした後27で71Aを ドライブする平均的なものです。これにより5067Xを 一段低いレベルで使用できるため有利になっています。 ドライバーの27がヒーター2.5V1.75Aと大食いのため、 電源トランスをそれに合わせると、B電源などがオーバースペックになってしまいます。 そこでこのヒーターだけは5Vスイッチング電源を使用、2本シリーズにして 5V3Aのものから供給しています。 ただこれらの古典ナス管は誘導ハムやマイクロフォニックノイズなど 外来ノイズに弱く、今回もかなり慎重に設計した結果、 一応問題のないレベルに収まっているものの、 左チャンネルは電源部からの誘導ノイズを若干受けているようです。



基本性能

入力インピーダンス  100KΩ
基準出力電圧  1V 所要入力 300mV (ゲイン10dB 約3倍)
最大出力電圧 3V
歪率  0.2%以下(1KHz基準出力時)
再生周波数帯域  10Hz〜25KHz (−1dB)
  残留ノイズ 0.5mV以下(補正なし)
(VOL最大、入力端子1KΩ終端、出力100KΩ負荷にて測定)

SPアウト時参考データ
出力 1.6W+1.6W 所要入力 500mV
歪率 0.5%以下(1KHz1W時)
再生周波数帯域  10Hz〜25KHz (−3dB)


ユーザーレポート


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