Valves' World 番外編その30


フォノEQ付きプリアンプ ケーシングタイプ

送出トランス内蔵・外付け切替式

 最近はアナログレコードの音にも目覚めたとおっしゃる山口県光市のKさん。 以前お作りしたCDバッファーを発展させてフォノイコライザー付きの プリアンプに仕立ててみました。

一緒に写っているWE111Cマッチングトランスは以前お作りしたもので、 今回の参考価格には含まれておりません。

 送出トランス内蔵やバランスアッテネーターなど収納パーツの 大型化、切替機能の充実で筐体も400x300と大きくなりました。 各スイッチ類はすべてロータリー式、ツマミはアルミ削り出し、 電源パイロットは例の銘板のところの真空管マークが光るタイプと 凝ってみました。

 入力はラインとフォノがそれぞれ2系統、出力も2系統ですが こちらはA・B・A+Bの切替付きです。さらに送出トランスとして 内蔵のUTC A20の他に、WE111Cを外付け切替として 使えるように接続端子を設けてありますが、 これのおかげで送出トランスによる音の変化を瞬時に 聴き比べることが可能です。

 ケース内部前方から
右がイコライザーアンプ部、中央手前がインピーダンス変換用の バッファーアンプ、その後方にUTC A20やバランスドアッテネーター などが続きます。各切替操作などはそれぞれの直近でおこない、 内部配線にシールド線は一切使っていません。

 ケース内部後方から

基本回路図

 イコライザー部およびバッファー部には、今まで使っていた 6DJ8の良質なものが入手できなくなってきましたので、 今回から5670を採用しました。 WE396Aの同等管として有名ですが、 いろいろテストしてみましたところ音質・歪特性・ノイズなど プリアンプ用として充分満足のいく結果でしたし、 流通量も豊富で入手も容易、かつ廉価なのも魅力です。
 イコライザーは6DJ8の時とほぼ同じ構成で設計してみましたが、 あれほど大電流を流さずとも音の芯はしっかりしていますし、 特性も充分満足のいく結果でした。
 バッファー部はいつものゲイン0dB、インピーダンス変換のみの 動作ですが、5670はこちらにもうまく適合しました。



基本性能

入力インピーダンス  
Phono 1,2 47KΩ
Line 1,2 360KΩ
出力インピーダンス  600Ω

ゲイン 
EQアンプ部 34dB
バッファー部 0dB

歪率
 イコライザー部 0.05%以下
 バッファー部 0.02%以下
(1KHz200mV出力時)

EQアンプ許容入力
50mV(歪率0.1%時)
380mV(歪率1%時)
1100mV(歪率5%時)

RIAA偏差 0.5dB以内
 バッファーアンプ周波数特性 10Hz〜160KHz(-1dB)
残留ノイズ 0.1mV以下(補正なし)0.02mV(JIS-A)
     


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