Valves' World 番外編その45


MCステップアップトランス内臓フォノイコライザーユニット

橋本トランス新製品 HM−X 搭載

 3年前に300Bシングルを作らせていただいた宮城県気仙沼市のKさんからのご依頼で、 長らく半導体イコライザーをお使いでしたが今回真空管タイプへの乗り換えとなりました。

 前面操作部はMM2系統+MC1系統の切替と、MC受けインピーダンスHi−Lo、 それに電源スイッチだけです。
幅150 奥行き435 高さ115、重さは5Kg

 入力はMMが2系統、MC 1系統、 出力は2系統パラ出しです。

 ケース内部は前半分が電源部中程にいつもの6DJ8イコライザーユニット、 後部にMCステップアップトランスとなっており、奥行きは充分長さが取れるということでしたので、 一列にゆったりと並べてみました。MCトランスの橋本HM−Xは昨年暮れに発表された 新しい製品で、今回当工房では初採用となりました。 写真で見るように形状・大きさは従来のHM−3と同じですが、 内容的にはHM−3の上を行く“フラグシップモデル”として開発されたそうです。 詳細は以下をご覧ください。
http://www.hashimoto-trans.co.jp/frame/newproductinf07.html

短い試聴時間でしたが、謳い文句どおりの実力は感じられました。

基本回路図

 回路は毎度おなじみの6DJ8大電流使用CR型イコライザーです。



基本性能

入力インピーダンス  47KΩ(MM)
出力インピーダンス  3KΩ(実測値)
ゲイン MM 33.7dB(約48倍)
MC−Lo 63dB (約1400倍) MC−Hi 57dB (約700倍)
イコライザー部許容入力 54mV(0.1%歪)400mV(1%歪)880mV(5%歪)

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 こんにちは,フォノイコが到着して,早2ヶ月になろうとしています。
フォノイコをセッティングをする前に,今まで使用していたフォノイコをもう一度聞き直してから にしました。現使用のフォノイコには不満はありませんでしたが,使いかってを便利にするのが目的で相談したのが始まりでした。

 管球のフォノイコは初めてでしたので,不安もありセッティング後,針を落とすのが恐る恐るという感じで落としました。なんと不安が的中,ドンシャリのような高音だけが際立つ音で,聴くのを止めてしまいました。冷静に考え,そういえば,前にも何かをセッティングしたとき同様の現象があったことを思い出したのです。でも,その日はそのまま確認をせず,一週間ほどエージングをすることに決定。

 一週間後すべての配線等を確認,緩みのあるコネクターは締め直しし,いよいよ針を落としました。出てきた音は中低音のしっかりした素晴らしい音でした。高域は繊細な音まではっきり聞こえますが決してドンシャリにはならず耳疲れしません。

 特に低音部は,沈み込むような音で今まで耳にしたことの無いようなズンズンとくる低域でした。 その後,何枚もレコードを変え聴き入ってしまいました。

 もう,最高です。これで,前のフォノイコを手放す決心がつきました。以前にアンプでお世話になっていましたので,信頼は置いていたのですが,ここまでフォノイコで良くなるとは思いませんでした。本当にありがとうございました。また,アンプでお世話になりますが,そのときは宜しくお願いいたします。 お陰様で,最近レコードを購入する回数が増えてしまいました。

使用カートリッジは,
ortofon MC 30W (メイン)セカンドにMMシュアーV15TVです。

表現が下手なうえ読みにくい文章で申し訳ありませんが,以上になります。  

以上、Kさんからいただいたレポートでしたが、納品当初のドンシャリのことが気になったので 尋ねてみましたところ、どうやら結線ミスだったそうです。(ホッ!)
 


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