Valves' World 番外編その15
多機能ラインコントロールアンプ

TCつきのラインコントロールアンプですが、内容的には ライン入力3系統+
フォノ(オプション)の4系統、 出力はSRPPのダイレクト出力に加え、
内蔵A20マッチングトランス経由、 さらに外付けマッチングトランスも
選択可能としましたので、 この1台でマッチングトランスの切替聴き比べが瞬時に可能です。
その他高低トーンコントロールの付加、VUメータの設置、
将来のフォノEQ用スペース確保など、 尼崎市のFさんからの依頼ですが、
とにかくご要望の機能・デザインなどを可能な限り 詰め込んでみました。
このあと最終的にはウッドケースに本体を収める手筈ですが 製作が間に合わず、
当面このままで使っていただくことにしました。

左からフォノ入力(オプション)、ライン1−3(CD、TUNER、AUX)、
出力端子、その右が外付けマッチングトランス用の入出力です。

外付けマッチングトランス用の入出力端子
ここに下の写真のような別筐体マッチングトランスをつなぎ、
前面の切替スイッチで内蔵A20、外付け、ダイレクトを選択できます。


外付けマッチングトランスの例
いずれも当工房でケーシングしたものですが、
内部にはWEの111C REPトランスが内蔵されています。

部品配置や構成はいつものプリアンプと基本的に同じですが、
内蔵トランス、VUメーターなどが増えていますのでそれなりに工夫して収めています。

左側の黒い空基板の部分には将来フォノEQが組み込まれます。
中央下ユニバーサル基板はOPアンプ使用のVUメーターアンプ、
右端の基板はOPアンプ用の±12V電源モジュール

基本回路図

回路はいつもどおりカソードパスコンを追放した 6DJ8の
低電圧・大電流動作SRPP2段増幅で、あいだに CR型TCを挟んでいます。
TCは調整ツマミ最小の時にフラットな特性が得られる、 増強・減衰切替式になっています。
ゲインとしては12AU7などの ローμ管でも良いのですが、
将来この前にフォノEQを予定していますし、 音質・歪率・
出力インピーダンスいずれをとっても この6DJ8が好適です。
電源部も将来のEQアンプ増設を見越して余裕を持たせてあります。



基本性能

入力インピーダンス  72KΩ
出力インピーダンス  1.6KΩ
基準出力電圧  1V
入力感度 70mV (ゲイン23dB)
最大出力電圧 12V(歪率5%)
歪率  0.1%以下(基準出力時)100、1K、10KHzとも
再生周波数帯域  12Hz〜20KHz (−1dB)
  残留ノイズ 0.2mV以下(補正なし)0.07mV(JIS−A)
(いずれも音量VOL最大、入力端子1KΩ終端)

トーンコントロール変化特性

   
   

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