Valves' World 番外編51
3WAY真空管式チャンネルデバイダー

 以前2WAYのデバイダーを作らせていただいた広島市のFさんですが、 その後のシステムの発展伴い3WAYタイプの新たなご依頼となりました。

 前面操作部は上段左右がクロスオーバーの切替で、左が低域側 500、650、800、1200Hzの4点、右が高域側 5K、6K、7K、8KHzの同じく4点です。中央は 2WAY−3WAYの切替で2WAYのときはは低域側基準と高域側基準の 2通りに使い分けられます。下段のツマミはLo、Mid、Hiの レベル調整用で左右個別に設けましたので6個となりました。

 電源スイッチはご要望で後面に設けてあります。

 クロスオーバー決定のためのCRのほとんどはロータリースイッチに装着。 

基本回路図

(左CHのみ表示、電源部は省略)

 回路は前回までと変わってバッファー部はすべて6DJ8を使った 低インピーダンス仕様で、合計10本使っています。これは切替スイッチへの配線などが 長くなるため起こる高域劣化やハムの混入を避けるためです。
 クロス周波数の切替はコンデンサーを切替えると 膨大な数のCが必要ですし、希望の周波数に合わせるのも大変です。 そこでCを固定として抵抗の方を可変としましたが、これなら端数微調整も 容易です。これらの素子はロータリースイッチに装着してありますが、この ロータリースイッチも今では入手難、やむなく市販品を改造して 4段8回路4接点を製作、使用しています。

基本性能

CR2段3WAYチャンネルデバイダー
クロス周波数
低域側 500、650、800、1200Hz 12dB/oct
高域側 5K、6K、7K、8KHz 12dB/oct
ゲイン 0dB
歪率 0.02%以下
残留ノイズ 0.1mV以下

本体サイズ
350Wx330Dx118H 5Kg
消費電力 38W

フィルター特性図



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