メタル管1619PPトランス結合アンプ
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トランスと真空管の手持ちがあるが製作の時間が取れないので
適当なアンプに仕立てていただけないかとご相談を受けました。
いろいろなご要望を取り入れながら完成させたアンプです。

同じような手持ち部品があるのでという依頼で2台目も完成しました。
出力トランスとシャーシの塗色が違います。 こちらからどうぞ

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view
持ってこられたのはメタル管の1619と5T4でした。
前段は当初 6SN7を予定されていましたが、
いっそのことこれもメタル管にということで 6J5のメタル管にして全部の球を統一しました。

Top view

Rear view

inside
トランス結合のためCR類が混みあうのは初段周りだけ、あとはすっきりしたものです。

回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)


測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

クリップ点は約3.5Wで6L6の3結A級動作とほぼ同じです。

全高調波歪率

100Hzの歪率がやや悪いようですが、低出力でも下がらないようなので 残留ノイズの影響と思われます。
直熱ビーム管の宿命かも知れません。 残留ノイズは左右chとも1mV前後です。

周波数特性およびダンピングファクター

可聴帯域20Hz〜20KHzは−2dB以内に収まっており、 トランスドライブ特有のカマボコ型のグラフになっています。
ダンピングファクターは全帯域にわたって約1.7で、 こちらもビーム管の3結NFB無しとしての標準的な値です。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
今回色々無理を言って御願いしたメタル管のアンプですが とにかく人があまり持っていないだろう、という不純?な動機 があった(自作する腕がなかったとの陰の声有り)わけですが 出来映えには大満足です。

で、音ですが、出てきた音楽はトランスが立ち並ぶごつい?外観に 似合わない優しさと、力感を兼ね備えていました。 (トランスドライブなのでくせのある音を予想していました。 本機に比べれば自作機は個性的というかくせが有るというか・・・。) シングル(自作機)とPPの違いを差し引いてもジャズに良し、クラシック に良しというメインにふさわしい鳴りかたで、家族も気に入っています。

是非次回も宜しく御願いします(と言いながら、もう既に御願済みです 待って居られる方ごめんなさい。)

以上、兵庫県尼崎市のご注文主、吉元様からのレポートです。


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