VT52プッシュプルアンプ 
モノブロックx2


 埼玉県志木市のYさんからの依頼はVT52のPPアンプですが、 手持ちにKENYONT-108があり、この出力トランスの音を聴いてみたいとの ご要望でした。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view

電源トランス以外の主要パーツはYさんからの支給品、なんとかまとまるように並べてみましたが 背の高いオイルコンだけが際立ってしまいました。


Top view

上から左回りにタンゴNC−16、KENYON T−108、Spragueのオイルコン、 タンゴPH−100S、WEのチョーク221G、整流管83V、VT52が2本 そして前段球の6SN7です。

Rear view


inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


 回路は初段電圧増幅6SN7の半分、残り半分がドライバー、NC−16による 位相反転ドライブという一般的なものです。出力トランスのT−108は 一次が1〜20K、二次は0.5〜2Kと実に100種類ほどの多様な組合せを タップの繋ぎ替えで選べるようになっている 特殊なトランスです。ここではVT52にあわせて一次10KΩP−P、二次は8と16Ωを選んでいます。 とにかくこのトランスの素のままの音を確認するため、 NFBは勿論無し、ドライブトランスも二次開放で使っています。
 結果としては、欲張った設計のトランスのため巻線間の結合不均衡、 線間容量の増加などと思われる弊害が出ているようで、 とくに低域の歪率にはやや不満は残るものの、音自体は中身の濃い充実したものが ありましたし、むしろ力強ささえ感じられました。
 VT52はAC点火ですがPPのためフィラメントハムは打ち消されて出力側には あまり現れないと思いますが、念のため出力管個々にハムバランサーを挿入して万全を期しました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 5.5W+5.5W 所要入力280mV
    歪率 0.5%以下(1KHz 1W時)
再生周波数帯域 17Hz〜16KHz(−3dB)
ダンピングファクター 2.8
残留ノイズ 1mV以下(補正なし)
消費電力 56W
本体サイズ 325Wx220Dx185H

  入出力特性

歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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