VT62シングル ステレオアンプ
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人気の高いVT62(801)シングルアンプですが、
橋本のハイインピーダンス出力トランスH−20−14Uが
発注後の計画変更で余っていましたので作ってみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

本体サイズは420Wx270Dx120H、受注アンプと同様の 丁寧な仕上げをしてあります。

Rear view

出力トランスは先に書きました橋本、電源トランスはノグチPMC−120Mで いずれも新品、チョークのみLUX5BC20が手元にありましたのでUsed品です。

Top view

2本の巨大なフィルムコンが特徴ですが、高圧電源部の長期安定動作を 約束してくれています。

inside

内部拡大写真

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




基本的な回路は過去に何度か発表したパラシングルと同じですが、
入力部には外来ノイズに有利なメタルチューブ6C5、
ドライバーは41のスケールをさらに小さくした6G6を採用しました。
VT62の負荷は通常14Kが使われるようですが、橋本H−20−14Uには
10Kタップがあるのでそちらを使ってみましたところ 良い結果がでました。
高圧電源部はいつものように経年劣化の起きやすいケミコンの使用を排除、
大容量フィルムコンでまとめてありますので、長期にわたって 安定動作が約束されています。
VT62は直流点火ですが十分なリップルフィルターを備えていますので、
無帰還状態、ハムバランサーなしでも残留ノイズ0.5mV以下を達成しています。
なお、出力管は仏マツダの同等管3T20が手元にありましたので
差し替えて聴いてみましたが、こちらはプレートが分厚いカーボンでできており、
材質の違いが音にも現れてくるようでした。

測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

当初軽いNFBを施す予定でしたので入力感度は500mVとやや高めになっていますが、
使いにくい値ではありませんし、無帰還で良好な特性と音楽性が得られたので NFBなしとしました。
ただ、使用スピーカーによっては軽いNFBも有効と思いますので、
そのため抵抗1本の追加で対処できるよう下準備はしてあります。

歪率特性

無帰還状態での歪率特性で、 残留ノイズはLch0.3mV、Rch0.5mVと優秀です。

再生周波数帯域

十分な帯域幅が確保できており、不足はありません。
ただ、ダンピングファクターは負荷を10Kに選らんだのと、無帰還のため 1.9とやや小さく、
使用スピーカーによっては数dBのNFBをかけたほうが 良い結果が出るかもしれません。

ユーザーレポート


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