R120シングル ステレオアンプ
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欧州傍熱管のクイーンR120に惚れ込んだ
群馬県前橋市の Yさんからいただいた依頼は
相応しい出力トランスを捜して欲しいというものでしたが、
LUX往年の名トランスOY−15−3.5Sを
ようやく見つけ出して完成にこぎつけました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view


Rear view


Top view

真空管周りに少し余裕を持たせた配置をという要望でしたので、 シャーシサイズは一回り大き目で仕上げてみました。

inside

内部拡大写真

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




初代のR120アンプとほぼ同じ回路で、初段EF37Aが EF36に変わった程度で、
37Aも36も基本的には同じ球ですからスタイルの違いだけです。
今回使用のメッシュプレートR120と EF36の相性は良く、
出力トランスOY−15の 優秀性もあり、無帰還でもかなりの低歪でしたので、
何度か試聴の結果 NFBは隠し味程度の4.5dBとごく軽いものにしています。
R120の最適負荷は2.5Kが公称値ですが、
Ipを絞って 動作点をややずらし、3.5KのLUXトランスに合わせました。

測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

入力550mVで定格の4Wが得られます。

歪率特性

3波ともよく揃っており、歪の上昇も出力に比例した 穏やかなカーブを描いています。

再生周波数帯域

低域端20Hzあたりに0.5dBほどの僅かな盛り上がりがありますが、
これは過去のR120アンプでも毎回見られますし、
低域時定数など変更してみても変化がありませんので この球特有のものかも知れません。
それにしても僅か4.5dBのNFBでこの低域の平坦性は
さすがLUXトランスの面目躍如といったところです。
ダンピングファクターは約4.8と程よい値です。

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