6CA7 ダブルppモノラルx2 |
Dynaco MarkV リフォーム |
依頼者が昔お使いだったお馴染みDynaco MarkVです。 久し振りに通電してみるとご多分に漏れずケミコンがドライアップしていて 電源トランスも唸っているようです。出力管は6550やKT88でなく、 なぜか6CA7が付いてきました。とりあえずトランス類を再利用することにして、 回路やデザインはご本人の希望もあり、No.92に近いものを目指しました。 |
取り外したトランスはテストの結果異常なく使用できるようで、 電源トランスの唸りもコアの増し締めで解決しました。キズやサビは かなりありましたので再塗装で仕上げありますし、リード線も すべて新しいものに付け替えました。もともと付いていた 内蔵のチョークはやや貧弱なため外付けで大きなものを新調しました。 回路はNo.92と同様入力トランス位相反転による無帰還ダブルプッシュプル で、全体のデザインも良く似た感じに仕上がりました。 |
Front view
左から入力端子、入力トランスTF−3、ドライバー6SL7、
2本の6CA7そして整流管5AR4の順です。
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inside 内部拡大写真は こちら |
基本性能
出力 16W 所要入力1000mV
全高調波歪率 1KHz1W時 0.07%以下
再生周波数帯域 7Hz〜21KHz(−2dB)
ダンピングファクター 1.7
残留ノイズ 0.4mV以下
本体サイズ 370Wx230Dx210H
重さ 12KG
消費電力 90W
入出力特性
ユーザーからのメールによる評価です。 (ご本人の許可を得て掲載しております) |
ご無沙汰しております。
昨年の8月に6CA7ダブルPPアンプ(ダイナコ・リニューアル)を作って
頂きましたTです。その節は色々とお世話になりありがとうございました。 早いもので、アンプが到着してから一年となりました。到着以来ほとんど毎日 聴いておりますが、何の不具合もなく音楽を奏でてくれています。 古いダイナコアンプのリニューアルで、当初どのような音になるのか、少々 不安もありましたがすぐに払拭されました。エージングも進み、今ではメイン システムとして離せません。長年活躍してくれましたパイオニアM4aも ほとんど電源を入れることがなくなりました。 しかし、こんなシンプルなアンプで、こんな音が聴けるとは思ってもみません でした。 M4aでは鳴らなかったタンノイLGMが素晴らしい音を奏でてくれます。 このアンプとLGMで主にジャズを楽しんでいますが、このアンプの音の 特徴は、棚引くような低音です。決してブーミーではなく、包まれるような 心地よい低域に中高域が乗っております。 また、デザインも素敵です。 シンプルなゆえに真空管も選ぶようですね。一カ所、微調整と言うことで カップリングコンデンサーをjensenのオイルペーパーに変更致しました。 しかし、ダイナコを処分せずに山中さんに相談してよかった。 元々廉価なアンプでしたが、私もまだ若かりし頃、当時八木音響の八木栄一さんが京都の 北山に店を構えておられた時、中古でしたがショーウィンドーに置いてあった このダイナコアンプとテクニクス30Aを、やっとの思いで手に入れた時の 事が昨日のように思い出されます。古いトランスも文化遺産ですよね! このアンプ、今後も大切に使用致します。メンテナンス等も含め、今後とも ご指導宜しくお願い致します。 一年を迎え現状のご報告とお礼まで!ありがとうございました。
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以上、京都府城陽市のTさんから1年ぶりにいただいたレポートでした。
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