300B シングル ステレオアンプ
オリジナル チューブガード付き


 石川県志賀町のTさんからスワン型SPと組合わせる 300Bシングルアンプのご依頼でした。 お聴きになる環境やソースなど考慮して、いつもの91Bタイプでなく 音的にもう少し現代的なCR結合3段としてみました。
 ただ、お孫さんが 遊びに来ることも多いということで、通常の真空管 剥き出しのスタイルでは、うっかり触れて300Bの損傷もあり得ますし、 火傷などされてはもっと大変、何とか策はないかと相談を受けました。
 一般的にはボンネットの採用となりますが、ありきたりのものでは 新鮮味がありません。真空管アンプの雰囲気を損なわず、かつ安全な ものを考えてみました。基本的にはSTC4212アンプで採用した チューブガードを発展させたものですが、当然これも当工房手作りによる オリジナル、幅・高さなど大きさは勿論、デザイン面でもこのアンプ 専用に設計・製作したもので、 見栄えと機能性を両立できたと思っています。

回路図

測定結果

ユーザーレポート



Front view ガード装着時

 チューブガードは脱着可能で真空管交換の時などは容易に取り外せますし、 下写真のように今までどおりのスタイルで使用も可能です。


Front view ガード取り外し時

 前面ツマミは左から入力セレクター、音量VOL、 メーターに挟まれた小さなのは感度切替とバイアスチェック用スイッチ、 右端が電源スイッチです。 メーターは普段はVU計として働き出力監視、スイッチ切替で 出力管300Bのバイアス状態をチェックできます。



Top view

 部品配置は今までの300Bステレオアンプ同様後列に タムラトランスとオイルコンを並べた一般的なスタイルですが、 Tさんの希望もあり全てブロンズカラーに再塗装してあります。


Rear view

 今回は入力を3系統設けてあり、前面のスイッチで切替可能


  内部拡大写真は こちら

基本回路図


 回路はお使いの環境も考慮して、いわゆる91Bタイプではなく CR結合3段アンプで、オーバーオールのNFBも5dB程かけてあります。 なお1段目と2段目の間は時定数箇所を減らす意味で直結としています。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。 データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが、お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 8W+8W 所要入力400mV
    全高調波歪率 0.1%以下(1KHz 1W時)
再生周波数帯域 6Hz〜60KHz(−1dB)
ダンピングファクター 5.2
残留ノイズ 0.5mV以下(補正なし)

消費電力 118W
本体サイズ 375Wx280Dx230H
重さ 21KG

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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