PP3/250シングル モノラルアンプ 
リフォーム作品


 当工房からあまり遠くない、兵庫県猪名川町のTさんから、25年ほど前に 知人に作ってもらったアンプがあるのでといって、リフォームのご相談を 受けたのが今年の春先。アンプをお預かりしたままずいぶんお待たせしてしまいましたが、 このほどようやく完成しました。 

回路図

測定結果

ユーザーレポート


 お預かりしたのは写真のようなアンプで、出力管はEDISWAN PP3/250の オリジナル、 これをAC/HLと76の2段でドライブしていました。 さすがに25年の時を経て内部のパーツはかなりくたびれています。 ただモノラルながら、広がりを感じさせる再生音はご本人も かなり気に入っておられ、メンテを兼ねてぜひ甦らせたいということでしたので、 それなりのパーツ選定と仕上げを施してみました。  


Front view 

 デザインはご本人の希望もあって、いつものウッドケース仕立てですが、 ケースの角を丸めない鋭角な仕上です。それに伴ってインシュレーターも 普段と違うものを採用してみました。


Top view

 出力トランスはPP3/250の品格に相応しい大型のタムラF2004に換装、 電源トランスとチョークは下の写真のように、元のものを使いましたが、 出力トランスとデザインを揃えるためカバーを被せてみました。


トランスカバー内部  


Top view

 


Rear view

 


 出力管PP3/250に使われているクッションソケットは 元のアンプについていたものですが、今となっては非常に 貴重なパーツです。

内部拡大写真は こちら

基本回路図


 元の3段回路を改め、シンプルに2段で構成してみました。 初段のAC/HLはμ40ほどの球ですが、負荷抵抗をやや 高めにとって30倍ほどのゲインを稼いでいます。 出力段のPP3/250はPX4などとほぼ同じ出力管で、 電流をやや絞り負荷5KΩに適応させています。  整流管は元のアンプに付いていたG2004です。  欧州管ばかりの構成になりましたが、電源トランスが対応 していないため、各ヒーター回路には電圧調整用の 抵抗が入ります。

出力管のEDISWAN MAZDA PP3/250については こちらを参照下さい。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 3W 所要入力 800mV 
歪率 0.8%以下(1KHz1W時)
残留ノイズ 0.3mV以下 
周波数特性 23Hz〜32KHz(−1dB)
  ダンピングファクター 2.7

消費電力 38W
本体サイズ 285Wx280Dx240H
重さ 11Kg

  入出力特性

出力対歪率特性(無帰還時)

周波数特性

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 真空管、スピーカーそして私の耳のエージングもだいぶすすみました。
20数年前に入手したときにも感動したものですが、 今回はさすがに目から鱗と申しましょうか、全くの別物になって帰ってきたPP3/250。 マイフェアレディのように洗練され美しく生まれ変わった姿(音)に言葉がありません。 大型化されたタムラ製トランスの恩恵でしょうか、 低音が何とも豊かでウッドベースが活き活きと流れていきますし、高音の透明感にも脱帽しました。
 ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビーなど自分がライブハウスで生演奏を聴いているのかと 自分自身がトランスしているようです。

 こんなにもいろいろな音が録音されていたのですね。 女性ボーカルは、とても艶がありどんな歌姫もすべて絶世の美女が熱唱しているように思ってしまいます。 これでモノラル?と疑うほど拡がりがあり、 モノラルの魅力再認識です、と、言いたいところですが これでステレオだったらどんなだろう、と欲が出てきてしまいました。 なかなか同じパーツが手に入らないのが残念です。 山中様の提案でコンパクトになった外観もとても気に入っています。
ありがとうございました。

以上、Tさんから頂いたレポートでした。


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