3C33プッシュプル ステレオアンプ
リメイク版

さいたま市のSさんからの依頼で3年ほど前に作った同アンプのリメイクです。
当時は中古部品の活用などもありましたが半額程度で製作できたアンプも
現在では出力管やトランスなどパーツの高騰で難しい状況です。
とくに3C33は品薄で今回は大事に使っていただけるよう
若干定格を下げた動作にしています。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

例によって3C33と717Aの大小コンビで、 全体のレイアウトは前作とほぼ同じシンメトリックなデザインですが、 今回はそれを花梨材のウッドケースに収めました。前面のパイロットランプは 前回ご注文いただいたプリアンプに合わせてグリーンのLEDです。

Top view

出力管3C33の両脇に放熱穴を開けてありますが、その一部を DCバランスチェック用に利用しています。

チェック端子部拡大

ここにテスターをつないでチョーク両脇のVOLを調整、 0Vに合わせればDCバランス完了。シャーシを裏返さなくとも すべて上面から操作できます。

Rear view


inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


基本回路は前作とほぼ同じですが、ドライバーは入手の容易な6SN7に変更、
3C33も貴重な真空管になってしまいましたので、Ipを85mA程度に抑えています。
出力は2割ほど低下しますが、長寿命化を図りました。
DCバランスはカソード電圧を分圧してグリッドに戻しIpを揃えるようにしていますが、
出力トランスの巻線DCRが上下同一のバイファイラー巻となったF782ですので、
両プレート間の電位0Vを確認することで可能です。
ACバランスの方は出力管のパスコンを一旦外して1KHzくらいの信号を入れ、
カソードのAC電位が0になるよう6SN7のプレート負荷を調整します。
ただ、入力電圧や周波数によって変動しますのであまり厳密にする必要はないようです。
NFB量は前回同様12dBですが、今回は高域補正はしていません。
200KHz越あたりに小さなピークがありますが、補正を入れて
これを 抑えるとやや平板な音になるようでした。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能
出力 12Wx2 所要入力 750mV
全高調波歪率 0.1%以下(1KHz1W時)
再生周波数帯域 6Hz〜70KHz(−0.5dB)
残留ノイズ 0.5mV以下(聴感補正なし)
ダンピングファクター 6.2

入出力特性

歪率特性

再生周波数帯域

ユーザーレポート

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