PX25直熱管トランスドライブ シングル
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オークションに出品しておりました このPX25アンプはアクセス1800件と
過去の記録を更新して 好評の内に終了いたしました。
大勢のご参加どうもありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。

以下は出品時の説明文です。

845、50などのアンプで採用してきた直熱管による
トランスドライブですが、その再生音の瑞々しさは特筆ものです。
今回のPX25アンプについてもドライバー球の選定に 重点をおき、
種々検討の結果WE104の欧州版、3A/109の 採用に決定しました。
フィラメントノイズの処理のため 付加回路の追加など コスト面では不利ですが、
故・浅野先生も述べておられるように ドライバーに直熱管を使うメリットは十分にあります。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

本体サイズは約420Wx320D、 好評のウッドケース仕上げです。

Top view

トランス類はすべて旧タンゴの製品で当工房のストック品、 オイルコンなどとともにブロンズ調の塗装仕上げで 名球PX25に相応しい重厚なデザインで仕上げました。

Rear view

出力端子は8および16Ωスピーカーに対応

Bottom view


inside

カソードパスコンはすべてタンタル、初段とのカップリングは 英Plesseyの1.5KV耐圧軍用規格品、抵抗類はリケンRM、 松下金属皮膜など音質、信頼性に配慮して選定しました。

使用真空管

左からMazda PP5/400、MOV PX25、 ITT 3A/109B、GEC L63

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




初段のL63はローμ三極管で6SN7などの片側ユニットと 同一特性で同等管の6J5・6C5などと差し替え可能です。
この段で約15倍のゲインを稼ぎドライバー3A/109に 送り込みます。
3A/109はWE104などと同じ通信機器用 終段増幅管で約1Wの出力が得られる小型出力管です。
これを段間トランスNC−14と組み合わせた場合、 Ip10mA程度、2次側ダンプ10KΩでベストマッチングとなりました。
この状態でピーク、ディップのないフラットな特性が得られます。
出力段は安全な自己バイアス回路で無調整ですので、参考写真にあるように 同等管のPP5/400やDO24、P27/500など
欧州では呼称の異なるものが多数ありますが、いずれもそのまま 差し替え使用可能です。

測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

無帰還アンプですので明確なクリップ点は定かではありませんが、
入力電圧400mV、 出力7Wを超えたあたりから波形の頭がやや丸くなってきます。
この時点で歪率5%ですのでこれをもって最大出力としていいと思います。
その後も頭打ちはなく、15Wまでのびており過大入力に対する 消化力は十分あります。

歪率特性

3波ともよく揃っており素直な歪率特性です。
残留ノイズは1mV以下、高能率のスピーカーでも 無音状態です。

再生周波数帯域

−2dBの範囲は20Hz〜48KHzと無帰還トランス結合 アンプとしてはかなり優秀です。
3A/109とNC−14のマッチング、それに大型出力トランスの 優秀性に負うところが大きいと考えられます。
ダンピングファクターは全帯域約2.4で、大概のスピーカーとの 相性に問題のない値です。

なお、いずれのグラフもMOV PX25の場合を示していますが、
PP5/400に替えた時もほぼ同等の特性で、誤差は個体差の 範囲内です。

ユーザーレポート


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