2A3シングルステレオアンプ 
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以前札幌にお住まいで今は仙台にいらっしゃるOさんからの依頼です。
前回が多極管PPでしたので今度は直熱3極管シングル、
それもヴィンテージものから再生産品まで選択肢の豊富な2A3で進めてみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view

部品配置もオーソドックスなもので、飽きの来ないデザインです。


Top view

トランス類はすべてタンゴ(現ISO)製で統一しました。 使用真空管は2A3が中国製、6SL7がGE、5V4はRCAです。


Top view

ご要望で付加した機能はヘッドフォンジャックとSP出力インピーダンス、 4−8Ωの切替SWです。

Rear view


inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


 回路は2A3シングルの標準的なもので、このとおりに作れば 誰でも失敗無く完成できるシンプルなものですが、それだけに 部品配置や配線の取り回し、ケースの仕上げなどに集中できて楽しめるアンプです。 付加機能としてヘッドフォン端子とSPインピーダンス4−8Ω切替を設けました。 (XE−20の場合カタログ上は8と16Ωしか記載されていませんが、 一次2.5Kで使う場合に限れば4ΩSPにも対応できます) したがって今回はいつものように3.5Kでなく、一般的な2.5K負荷 60mA動作で、カソード抵抗も750Ωとなっています。
 じゃ今までの3.5Kは何だったのかツッコミたくなるでしょうが、 正直言って私には音を聴いて両者の違いを指摘することは不可能だと白状します。 共に音楽の感動は伝わってきますが、こっそり切替えられても気付かないでしょう。 (こんなことを書くとうちのアンプは売れなくなるでしょうかね。 それより尤もらしい御託宣をズラッと並べておいた方が良いかも・・・。しかし 自分で識別できない現象を曖昧な美辞麗句で飾り立て、人心を惑わすほど 無恥厚顔でもないし・・・。でも べートーベンだって難聴でしたが良い曲一杯書き残しました。 ちょっと違う?!
 ブラインドテストで仮に聴き分けが出来る人がいても、それはその人だけの特技で あって、一般の聴取者には何の意味も無いことです。 その人に聴かせるアンプを作って批評してもらう訳ではありませんから。
 ただ数値上は 負荷の高い方が歪も減りますし、DFも上がる、カソード抵抗も 一般的な数値が使える、など利点が多いのは事実です。
 早い話が300BだってWEの資料には何十種類もの動作例が示されておりますが、 もしベストがあるならあれだけの影響力を持つ企業集団、どれかを推したはずですが、 どれがベストとは断定していません。 これをもってしても聴き分けなど不可能だし、 組み合わせる他の機器とのマッチングもありますから無意味だと いうことがお分かりいただけると思います。 皆さんあの中から出力トランスの規格や電源電圧の実情に応じて、 適当なものを選んで楽しんでおられるのが現実です。
 2A3だって同じこと、 何も2.5K60mAに固執することはないと考えています。 まして昨今のように新規格の2A3などが出回ってはなおさらのことです。 許容範囲内でケースバイケース、心を込めて作れば感動を伝えられる道具になる、 そんな楽しみ方でいいんじゃないですか。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 3.5W+3.5W 所要入力620mV
    全高調波歪率 1.3%以下(1KHz 1W時)
再生周波数帯域 10Hz〜23KHz(−1dB)
ダンピングファクター 2.0
残留ノイズ 0.7mV以下(補正なし)
消費電力 67W
本体サイズ 380Wx280Dx190H
重さ 14KG

  入出力特性

歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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