2A3シングル トランス結合アンプ
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東京・練馬区のOさんから、手持ちのRCA2A3と
5692を 活かしてモノラルアンプ2台の製作依頼でした。
デザインは先のPT15モノラルx2の雰囲気をご希望でしたので、
それを念頭にトランス結合アンプとして仕上てみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

シャーシとトランス類はすべて黒、その中に5692の 赤いベースがワンポイントです。

Rear view

出力端子はヴィンテージスピーカーも想定して8、16オーム対応です。

Top view

出力トランスはH20−3.5S、ドライバートランスがA−107と いずれも橋本トランスの名品です。

inside

トランス結合のため部品点数は少なくスペースにも余裕があります。
内部拡大写真

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




ドライバーに5692のパラ接続、1:2の段間トランスを 介して自己バイアス出力段と、
2A3シングルアンプとしては最もシンプルな構成です。
2A3の動作はいつものように電流を絞った3.5KΩ負荷で、
特性・音質ともに良好な結果を得ています。
回路図中のハムバランサーは実際には20Ω−20ΩVR−20Ωという
サンドイッチ構成で、残留ノイズは1mV以下に容易に設定でます。

測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

5%歪の最大出力4.5Wは入力1.1Vで得られますが、
強力なドライバーとトランスのおかげでその後7W付近までのびます。

歪率特性

無帰還トランス結合アンプですから、出力管の素性はそのまま現れてきます。
標準的な2A3を使ってデータを取りましたが、球によっては 歪率に大きな差が出ました。

再生周波数帯域

20Hz〜20KHz間はほとんどフラットで、橋本トランスの 優秀性が現れています。
とくに段間トランスA−107は 他社に比べて割高ですがそれだけの価値はあるようです。

ユーザーレポート


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