12V6 プッシュプルアンプ 
モノラルx2


 大阪・豊中市のNさんがお集めになったパーツを使って 小振りなPPアンプを仕立ててみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 ミニアンプながら本格的に 入力トランスを使ったダブルプッシュプルでモノラル構成、左右対称スタイルです。


Top view

 一番奥、出力トランスの横にある円筒形のが入力トランスで、 旧サンスイのヴィンテージ品ですがかなりワイドレンジです。


Top view

 出力トランスはハモンド製10KP−Pの1609、 電源トランスはこれもかなり懐かしいタイプのATOM T−150です。 この淺川電機のトランスなど今では知る人も少なくなったでしょうが、 '60年代当時は出力トランスなども作っていたオーディオトランスメーカーです。


Rear view

 


内部拡大写真は こちら

基本回路図


 回路は業務用アンプなどで多用されていた入力トランス 位相反転によるダブルプッシュプル構成で、完全なバランスと 上下の出力管がそれぞれの電圧増幅段と歪を打ち消しあうため、 NFBの世話にならずに低歪を実現できます。ただし入力側 信号源とのインピーダンスマッチングが難しく、 基本的には600Ωラインとの整合を前提としています。
 今回も念のため信号源インピーダンスを変えて特性を測ってみましたが、 使用したサンスイトランスがかなりワイドレンジなようで、 下のグラフのように5KΩくらいまで実用になります。 これなら大概のプリアンプは問題なく使えます。 なお50KHz付近の盛り上がりはこの出力トランス特有のもののようで、 1次側に数百pFのコンデンサーをパラってやると収まります。 ただ高帰還アンプでもなく発振の危険性もありませんし、 むしろこのトランスの音として受け入れるためあえて入れていません。
 出力管の12V6は良く知られている6V6の12V球で、 ヒーター電圧の違いのみで他の特性はまったく同一です。 6V6に比べてなぜか不人気ですが、割安感の味わえるオイシイ球です。 整流管の6BW4もあまり馴染みがないかも知れませんが、 6X4と6CA4の丁度中間クラス、出力電流は100mAとれますので このアンプにはピッタリです。  どちらももう少し見直されても良い真空管かと思います。
 なおビーム管を無帰還で使うと内部抵抗が高いためダンピングファクターは 1以下になってしまいます。今回もマイナーループのNFBとしてのUL接続で 出力管の内部抵抗を下げていますが、それで ようやく0.5です。ただスピーカーとの相性もあるでしょうが、 聴いていて数字ほど影響があるようには感じませんでした。  これ以外には三極管接続、あるいはWEのアンプのように 初段のカソードを分離して出力管のプレートからNFBをかける 方法などもあります。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 5W
 所要入力 850mV 
歪率 0.1%以下1KHz1W時
周波数特性
 11Hz〜30KHz(−2dB 600Ω入力)
 11Hz〜18KHz(−2dB 3KΩ入力)
ダンピングファクター 0.5
残留ノイズ 0.5mV 補正なし
消費電力 41W
本体サイズ 175Wx285Dx160H
重さ 6Kg (1台あたり)

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


ギャラリーへ戻る