6BQ5シングル ステレオアンプ
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ご自身で自作もなされる大阪・豊中市のNさんですが、
時間も取れないということで お手伝いさせていただきました。
すべて持ち込みのパーツ使用ですが、 折角ですからありきたりの
6BQ5アンプにせず、当工房手持ちの極上出力トランスを組み合わせて みました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

なんとなく71Aアンプに似てしまいましたが、どうしてもこうなってしまいます。
本体サイズ270x220x150

Top view

出力トランスはLUX SS5B5ですが、いつものように横置きにすると 6BQ5が小さい分アンバランスですので縦置きにしてみました。シャーシは グレーのハンマートーン塗装。

Rear view

いつもどおりの上面配置ですが、 入出力端子など小物部品はNさん持ち込み品を使わせていただきました。

inside

内部拡大写真は こちら

回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)


回路自体はオーソドックスに初段12AX7のSRPP、6BQ5は ペントード接続自己バイアスです。
電源部は持ち込みのトランスの関係で整流管は使えませんのでやむなくダイオード整流です。
内部抵抗の高い出力管ですからB電流のリップルは目立ちにくいため、チョークは 省いていますが
SGからの混入が結構あるので、ここは2段フィルターにしています。
これでNFBは9.5dBと控えめですが、残留ノイズ0.4mVに抑えられます。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能
出力 4Wx2 所要入力 400mV
全高調波歪率 0.5%以下(1KHz1W時)
再生周波数帯域 10Hz〜30KHz(−1dB)
残留ノイズ 0.4mV
ダンピングファクター 4

入出力特性

入力400mV強でフルパワー4Wに達し、かなり感度は高い方です。

歪率特性

少な目のNFBのため歪の増加は緩やかなカーブですが、
クリップ点を越えるといきなり増加し歪が耳につきます。
これはペントードの宿命として仕方の無いことで、 3極管のように
4Wのパワーが倍にも感じられるという感触は得られません。
あくまで定格出力額面どおりのアンプです。

再生周波数帯域

軽いNFBですので高域の補正も簡単に済ましていますが、
特性のアバレなども無く帯域も十分確保できています。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 今、家のシステムに繋いで聞いています。
システムは、DENONのCDプレーヤーDCD755に同じくDENONのプリメイン アンプPMA390IIIのプリアウトから今回作って頂いたEL84のアンプに繋いで います。SPはオルトフォンのCONCORDE105で、非常に小さい2WAYですが、 芯のある音がする評判の良いSPです。
   持って行ったCD以外でも聞いています。
線は少し細いかも知れませんが、艶のある、又、余韻も綺麗に聞こえています。 又、結構、音は前に出て来ています。
未だ、エージングの途中なのか、 音に若干堅さは感じますが、ソースに忠実というか録音エンジニアの作る音が分かるような気がします。 ボーカル、ブラス、ピアノ、ドラム、ベース、どれも、僕のイメージの音です。 艶っぽさがないとか、音が前に出て来ないとかの不満が解消されて、 当分楽しめそうです。
 僕のようなマンションで聞くには、十分な音量で聞けますし、 小さい音量でも、音像がボケなくて、満足しています。
 EL84は侮れない実力を持った真空管だと再認識しています。
以上、大阪・豊中市のNさんからのレポートです。工房に近いこともあって氏には何度も お運びいただき、音の好みや希望を詳しくお伺いすることが出来ましたし、引続き他のアンプの 製作依頼もいただいております。


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