WE350Bシングル ステレオアンプ
ビーム管接続

栃木県のNさんから手持ちのWE350Bを活かしたアンプをという依頼でした。
6L6系の出力管ですが、折角の350B、ビーム管接続のままで
WEサウンドを堪能できるアンプを目指してみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

シンメトリックな配置と中央部にやや変化を持たせたデザインは ご本人の希望です。

Top view

出力トランスは300B用として有名なMagnequestFS−030、 その他は橋本でまとめました。

Rear view


inside

入力端子のノイトリック、出力のWBT、シューターのソケットなどは 依頼者の蒐集品です。

内部拡大写真は こちら

回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)


初段管EF37Aも手持ち品の活用で、高域の歪率ではやや不利ですが
多極管2段アンプとなりました。 出力トランスMQ FS−030は300Bを主眼にIp60mAで
最適のパフォーマンスを発揮するよう設計されています。
MQに問い合わせたところ80〜90mA程度まで問題なしとの
回答を得られましたが、一応推奨値に近い70mA程度に抑えています。
なお、多極管の場合SG電圧の安定度が重要ですが、
ブリーダー電流10mA強を 流して対処しました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能
出力 8Wx2 所要入力 400mV
全高調波歪率 1%以下(1W時全帯域)
再生周波数帯域 20Hz〜26KHz(±1dB)
残留ノイズ 0.6mV
ダンピングファクター 約4

入出力特性

多極管ということで当初20dB程度のNFBを予定して、
初段の設計をしていましたが、 10dBで十分な性能と好音質が得られました。
そのため入力感度は やや高めになっており、
入力400mVで最大出力に達します。

歪率特性

多極管の2段アンプですからやはり10KHzの歪率は
他に比べて悪くなっていますが、 再生音に荒削りなところはなく、
むしろ三極管アンプにはない独特の 雰囲気が楽しめるアンプに仕上がりました。
NFB量を増やすと当然数値上の特性は向上しますが、
いわゆる350Bらしさが消えてゆくようです。

再生周波数帯域

20Hz〜26KHzは±1dB、低域端で僅かに持ち上がっていますが
不安定な兆候は見られませんし、高域はアバレもなく素直に減衰しています。
ダンピングファクターは全帯域にわたって 4前後となりました。

ユーザーレポート

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