211 シングル ステレオアンプ |
WE310A SRPPドライブ |
千葉県市原市のKさんから先日発表した71Aバッファーと同時にご依頼いただいたパワーアンプです。 これもほとんどのパーツをご自身で用意いただきましたので、それらを 最大限活用して回路構成を考えてみました。 |
Front view
お送りいただいたタムラトランスや出力管の配置はオーソドックスなものですが、
前方に並ぶ4本のWE310Aがいつもとちょっと違う雰囲気を醸しています。
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Top view
トランスはすべてタムラで、F2013、 PC3011、A4004、
高圧電源フィルター部はいつものようにフィルムコンの採用です。
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Rear view
後ろ左端の真空管はダンパー管の6BS3、その横は定電圧放電管のOA3です。
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内部拡大写真は こちら |
出力段211はいつもどおりのセルフバイアス動作ですが、
ドライバーにはお送りいただいたWE310Aを2本づつ使い、
5極、3極で組み合わせたSRPPとしました。
下側310AのSG電圧変動は、特性に与える影響が大きいので
定電圧放電管OA3を使って安定化しています。
これで必要十分なゲインとドライブ電圧および低出力インピーダンス化
(約100倍、70V、10KΩ)
を実現しました。 高圧部はダイオードによる倍電圧整流ですが、例によってダンパー管を利用した 遅延回路を併用しています。 310Aのヒーター電源が不足するため追加トランスをシャーシ内に 設置しましたが、H−K耐圧は150Vありますので、ヒーターバイアスは かけておりません。 |
当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を
追求するアンプでもありませんが、お渡しするアンプの
健康状態だけは把握しておきたいと思っています。
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出力 13W+13W
所要入力
330mV(NFBなし)
650mV(NFB 6dB)
1050mV(NFB 10dB)
全高調波歪率
0.5%以下(NFBなし1KHz 1W時)
0.2%以下(NFB6dB1KHz 1W時)
再生周波数帯域(−3dB)
9Hz〜18KHz(NFBなし)
5Hz〜37KHz(NFB 6dB)
ダンピングファクター
2.0(NFBなし)
4.3(NFB 6dB)
6.6(NFB 10dB)
残留ノイズ
1.2mV以下(NFBなし)
0.6mV以下(NFB 6dB)
消費電力 220W
本体サイズ 570Wx330Dx280H
重さ 32KG
入出力特性
出力対歪率特性
周波数特性
ユーザーからのメールによる評価です。 (ご本人の許可を得て掲載しております) |
真空管の友人からRCAの211を2本頂いたことがきっかけで、このアンプを作ることを計画しました。
調べると扱う電圧も高く自作に躊躇してバルブ・ワールドさんに依頼しました。 前段に310Aを使ってますが実は、自作300Bシングルを改造しようと買った球でしたが 改造前にCV358にしたところ音が気に入って使い道がなくなってしまいました。 (なんと贅沢な!と声が聞こえてきそうですが。。。) いろいろ相談していく中でこのアンプに使うことを勧められ球が蘇りました。 71Aアンプの試聴と同様でこのアンプも工房へお邪魔して試聴しました。 球のプロポーションから想像すると豪快な音が出てきそうですが、 送信管特有の高域寄の音も強調せず繊細かつ馬力のある音です。 大きく重たいアンプですが211のトリウムタングステンの輝きが落ち着いた雰囲気を醸しだし 見て、聞いて、楽しめるアンプです。 夏場の暑さに負けずに聞き込んでいきたいですね!
試聴装置
試聴CD |
以上、Kさんからいただいたレポートです。 |