100THシングル ステレオアンプ |
ダイナミックカップル方式 |
送信管にご執心の、千葉県Kさんからの今度のご依頼は100THです。 今回もトランスや真空管の大部分をご自身で集めていただきましたが、 ご期待に沿うべく設計製作させていただきました。 |
Front view
トランス類はKさんがご用意された旧タンゴ特注No.10495の2.5K OPTと
電源のタムラPC3011です。これにこちらでチョークやフィルムコンを
追加して仕上げました。シャーシレイアウトは電源部を中心とした左右対称、
通電時の100THが最も美しく見えるよう、ソケットも普段より
少し持ち上げてあります。
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Top view
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Rear view
シャーシ横幅は550mmを越えていますし、重さも30Kg。ウッドケースから
抜き出すのは大変ですから両サイドに取っ手をつけてあります。
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内部拡大写真は こちら |
基本回路はいつものダイナミックカップルですが、ドライバーの選定に 迷いました。100THを仮組動作でいろいろ調べてみると、 プレート電圧550V、グリッドバイアス +50V前後に最良点があるようですが、このバイアスで100THの グリッド電流30mAほどを流せる球として、いつもの6L6やEL34 では役不足で、もっとバイアスの深い球が必要です。 今回選んだのは5998ですが、これはちょうど適役でした。 片ユニットを電圧増幅、残り半分をドライバーとして使っています。 初段は使い慣れたC3g、これも手ごろなμと低内部抵抗で 利用価値の高い球です。 NFBはOPTの専用巻線から初段カソードへ10dB弱かけていますが、 補正にパラった300pFのみで素直な特性になっています。 100THのフィラメントは5V6.3Aとかなり大食いですが、 ここはいつものようにスイッチング電源の出番となりました。 最近のスイッチング電源は保護回路もうまく出来ており、 電源投入後若干遅れて正規の電圧まで立ち上がりますが、これは フィラメントへの突入電流防止にも役立っています。 |
基本性能
出力 23W+23W 所要入力1000mV
全高調波歪率 0.3%以下(1KHz 1W時)
再生周波数帯域
7Hz〜36KHz (±1dB)
ダンピングファクター 2.1
残留ノイズ 0.8mV
消費電力 300W
本体サイズ 580Wx330Dx300H
重さ 30Kg
入出力特性
歪率特性
周波数特性
ユーザーからのメールによる評価です。 (ご本人の許可を得て掲載しております) |
一頃の暑さからようやく朝晩が過ごしやすくなりました。
いよいよシーズン到来でしょうか?
躊躇っていた電源が入りはじめました。
遅くなりましたが100THアンプの試聴記です。 バルブ・ワールドさんからの年賀状に迫力ある真空管が目に飛び込んできました。 どんな音がするのか? 興味がわいて探しましたが、なかなか手に入る球ではないことがわかりました。 秋葉原へ用事のついでに寄った真空管屋さんの店先に一回り小さな球が飾られてました。 お店の人の話では、 その球は、100THと言い直熱三極管でプレートを赤熱させて使うようです。 気がついた時には鞄の中に納まってました。 211アンプの試聴に工房へお邪魔した時に100THを持ち込んでアンプをお願いしました。 さて気になる音ですが、送信管特有の煌びやかな高域ではなく落ち着いた高域です。 F特では低域が少し持ち上がってます。 この持ち上がりはトランスなのか?球なのか? 判りませんが中低域が厚みがあり、まさに、球のプロポーションのとおりの音です。 音離れ、粒たち満足できる音です。 今回も見て、聞いて、楽しい、アンプをありがとうございました。 211、100THと大型送信管を使ったアンプが完成したました。 これからベストシーズンに入りますよね!じっくり聞いて、追加報告したいと思います。
試聴装置 |
以上、Kさんからいただいたレポートです。 なおKさんは ご自身のブログでこれらのアンプや自作経験などを披露、 趣味の旅行から西表島の情報なども満載です。 また 動画サイトにも主だったアンプをアップされておられます。 アンプですから走ったり、踊ったりするわけではありませんが、 一度覗いてみてください。 |