4D32シングル ステレオアンプ 
ULおよび三極管接続切替


 当店ご常連の神奈川県H市のKさんが今回持ち込んで来られたのは 送信管4D32、これでシングルアンプをというご注文でした。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 出力トランスはKさんが用意されたXE−60−3.5S、電源トランスは 400V250mA程取れればいいのですが、4D32のヒーターが 6.3V3.75Aと大食いですので、MS−4042を採用しました。 チョークは2個使用してB電源を左右別供給としています。



Top view

 初段管6EM7の間にある2個のスイッチは、三結/ULの切替と NFB 強弱の選択用です。出力管4D32の放熱穴右側一番手前には チェック用のジャックを設けてあり、カソード電圧を計れるようになっています。  


Rear view

 

  内部拡大写真は こちら

基本回路図


 4D32は本来高周波C級増幅が主用途ですが、規格表にはAB級のAF増幅も 載っていますので、そこからシングルの動作点を推測してみました。 結果的には上の回路のようにごくシンプルな3段アンプで十分その性能を発揮してくれています。 出力は10W程度で十分ということでしたので、現在プレート入力は36W程度で許容損失の7割強と 軽めの動作ですが、400V110mAくらい流せばUL接続で20Wは確保できます。
 回路図では出力トランスのSGタップを使ったUL接続となっておりますが、 実機ではここに切替スイッチを設けてあり、三極管接続として動作させることも 可能となっています。またNFBも6dBと10dB二通り選択できるようにしてあります。
4D32詳細はこちら

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力
UL接続NFB10dB時 15W+15W 所要入力460mV
三極管接続NFB6dB時 9W+9W 所要入力300mV

    全高調波歪率
UL接続NFB10dB時 0.3%以下(1KHz 1W時)
三極管接続NFB6dB時 0.8%以下(1KHz 1W時)

再生周波数帯域(−3dB)
  UL接続NFB10dB時 10Hz〜38KHz
三極管接続NFB6dB時 10Hz〜21KHz

ダンピングファクター 5.3(三結6dB) 6.7(UL10dB)

残留ノイズ  1mV以下

消費電力 300W
本体サイズ 460Wx330Dx210H
重さ 22Kg

  入出力特性

歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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