300Bシングルヘッドフォンアンプ 
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 日常的にヘッドフォンをご使用になっておられる、愛知県豊川市のKさんから、  『真空管ヘッドフォンアンプのことを知り興味はありましたが、 せっかくだから憧れの300Bで聴くことができれば!と思いました。 300Bによるヘッドフォンアンプは可能でしょうか?』  という ご相談をいただきました。
 真空管の贅沢な使い方ですが、 趣味の世界ですからこんなことも許されるでしょう。 ご要望に応えて作ってみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 ヘッドフォンアンプとは言え、基本的には通常のWE91Bタイプシングルと 何ら変わるところはありません。ただサイズ的にいつも使っているタムラトランスでは 大げさすぎますので、タンゴでまとめてみました。初段も同じ理由で 特性の良く似たMT管の6267を使いましたので、コンパクトに まとめることが出来ました。


Top view

 出力トランスは前述のタンゴXE−20S、電源は同じくMX−200と チョークLC−5−250Dで、いずれも300Bアンプ用としては 必要充分なスペックを持つパーツです。


Rear view

 基本的にはヘッドフォンアンプですが、スピーカーも繋げられるよう 出力端子と切替スイッチを設けてあります。


内部拡大写真は こちら

基本回路図


 初段の真空管こそ違いますが、回路的にはWE91Bタイプそのものです。 6267(EF86)はこの定数で約100倍のゲインと、無歪最大出力電圧 70V以上を確保できますので、300Bを十分ドライブすることが出来ます。 出力段もプレート電圧が電源トランスの都合で若干低くなっている点を除いて 普段どおりの動作です。
 ヘッドフォン使用時にはその電力の大部分を ダミー抵抗に消費させるため、およそエコロジーに反するアンプで、 環境保全団体からクレームがつきそうですが、 91Bタイプのアンプで300Bがスピーカーを駆動している時の音を ヘッドフォンで体現するにはこの手しかありません。
 Kさんが普段お使いのヘッドフォンはインピーダンス 32〜62Ωのものが3機種ほど、 いずれも1mW/100dB前後の感度ですのでそれを基準に ダミー抵抗からの分圧比を決定しました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 7W+7W (SP端子8Ω負荷時)
30mW(ヘッドフォン出力62Ω負荷時)
 所要入力 500mV 
歪率 0.5%以下1KHz1W時(SP端子8Ω負荷時)
 0.3%以下1KHz1mW時(ヘッドフォン出力62Ω負荷時)
残留ノイズ 0.7mV以下 補正なし(SP端子8Ω負荷時)
 50μV以下 補正なし(ヘッドフォン出力62Ω負荷時)
周波数特性 15Hz〜20KHz(−3dB)
  ダンピングファクター 2.6

消費電力 113W
本体サイズ 280Wx380Dx220H
重さ 15Kg

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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