PX25シングル ステレオアンプ
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 つくば市のKさんから、PX25のシングルアンプを譲り受けたが ノイズなども気になるし、このさいデザインも一新して作り直して 貰えないだろうかというご相談でした。お預かりしたアンプには MQの出力トランスやハモンドの電源トランス、チョークなどが 使われており、かなりグレードの高いものでした。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 トランス類をはじめ、主要部品は全て旧アンプからの再利用で、 シャーシのみ新たに作り直しました。一番手前の初段管6J5は あまり見かけないタイプですが、なぜかこの球だけ付属していなかったので 手元にあったPhilipsのアルミシールドタイプを付けてみました。 このアンプのようにゲイン高い回路ではノイズに対しても有利ですし、 見た目もナス管とのミスマッチが結構面白いと思います。 仕上はいつものようにカリン材ウッドケース、ロゴマーク埋め込みの パイロットランプも定番になりました。


Top view

 出力トランスと電源トランスが旧アンプでは同一方向に取り付けられていましたが、 シールドの不完全なこの手のトランスではこのように磁束の向きを90度ずらせないと ノイズに悩まされます。


Top view

 スピーカー端子もインピーダンス切替がジャンパー線の付け替えによる 不便なものでしたが、ここにトグルスイッチを追加して使いやすくしました。


Rear view

 主電源の高圧コンデンサーには、いつものように信頼性が高く 長寿命のフィルムコンを採用しています。


 WEのカップリングと一部の抵抗などは再利用、 他は新品に入れ替えました。トランスからの引き出し線は すべて一旦ラグ端子で受けて、配線が煩雑になるのを防いでいます。 シャーシ上面に出ていた板抵抗も、ブラケットを作って 内部に収めました。 なおDC点火に変更のため電源容量が不足、それを補うため ヒータートランスを追加しています。
内部拡大写真は こちら

基本回路図


 原回路は浅野先生のものをそのままコピーしたものでしたが、 本器でもそれを踏襲、ただし例のWEつなぎの部分はDC化したこともあり、 省略しています。なお電源トランスのB電圧が規定より低く、 所定の出力を得るには至っておりません。整流管を効率の良い 5AR4あたりに変更することでこの点は解決できますが、 このままで十分楽しめる美音を奏でておりますし、 ヴィンテージのナス管PX25にあえて無理強いすることもないかと思います。
 ノイズの主なものはAC点火に由来するフィラメントハムと、 電源トランス・出力トランスの電磁結合によるものでしたので、 まず両トランスを90度ずらせて配置、フィラメントをDC点火に変更 することにより解消しました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 5.5W+5.5W 所要入力 250mV 
歪率  1%以下(1KHz1W時)
残留ノイズ 1mV以下 
周波数特性 13Hz〜32KHz(−1dB)
  ダンピングファクター 2.4

消費電力 135W
本体サイズ 445Wx325Dx210H
重さ 21Kg

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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