300BシングルWE91Bタイプ
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茨城県水戸市のKさんから、WE91Bタイプを
ウッドケーススタイルで仕上げて欲しいというご依頼でした。

ユーザーレポート

部品配置はL字型に配したトランス類の前に
300Bと310Aそれに5U4Gという、今までのスタイルです。

内部の使用パーツなども変更はありません。
なお、ご要望によりNFB(約5dB)のON/OFFスイッチを付加しました。

内部拡大写真は こちら

基本性能や回路図などは過去のWE91Bタイプと同一ですので こちらをご覧ください。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 菅野沖彦氏が選んだステレオ・サウンド・リファレンスCD(SSPH-3001)での感想を述べたい。

 4曲目(シューベルトの歌曲)
アメリングが一歩前に出て歌う(SPの前60cmぐらい)。 開始10秒前後の歌い出す前の衣装が擦れたようなノイズが明瞭に聞こえる。(NFB OFF) 音像が引き締まり,SP前面の線上よりやや前で歌う。(NFB ON)

 6曲目(ギター協奏曲)
ギターソロが太く,力強く定位する。(NFB OFF) オーケストラのヴァイオリン群の伴奏がきめ細かく再生される。(NFB ON)

 7曲目(ドヴォルザーク)
ピアノ・ヴァイオリン・チェロの前後関係と音楽的なハーモニーが立体的に再生される。 フワァと広がるハーモニーの美しさ・音の躍動感を感じさせる。(NFB OFF) ハーモニーの美しさはやや後退するが,繊細で精緻な演奏を堪能できる。 演奏に伴う微少なノイズがリアルに再生される。(NFB ON)

 NFB OFF の全般的な印象
響きが豊かで,音が前に飛んでくる。 音が伸びやかで躍動感がある。 ボーカルでは,声を発する前の口の動きが艶めかしい。 音像はやや大きめ。 鉛筆のタッチにたとえるとF

 NFB ON の全般的な印象
透明度がアップし,音の輪郭(エッジ)がはっきりとしてくる。 ボーカルのサ行がシャープ。 精緻だが,ややおとなしい印象。 鉛筆のタッチにたとえるとH

 上杉は,上品で聴く者を引き込む魅力がある。 音場もスピーカーの奥に広がってゆく印象がある。 PPの20Wであるため,充実したオーケストラの響き, ソロの実在感が素晴らしい。モノラルアンプの良さもあり, 音のピンポイント的な定位の良さは見事である。
91Bタイプシングルアンプは,中域が充実しており骨太な強靱な音が大きな特徴である。 聴く者に積極的に働きかける良さがある。

 最後に,モノラルCD2枚の印象を述べておきたい。
「ライオネル・ハンプトンのスターダスト」 JBLのオリンパスS8Rに勝るとも劣らない硬質なヴァイブラフォンがタンノイから聞こえてきます。 本当に音が飛んでくるイメージです。ハンプトンの肉声と観客の拍手や口笛の生々しさまで再生され, まるで演奏会場にタイムスリップしたような錯覚を憶える。 「シューベルトの幻想曲 D934 /ブッシュ(Vn),ゼルキン(P)」録音は1930年代 第3楽章アンダンティーノにおけるブッシュの魂がこもったヴァイオリン, ピチカートが太く実在感を持って再生される。シューベルトの心の震えが聞こえてくるようである。
 音が前に出てくることもあり,モノラル再生時にはステレオ再生時より好ましく感じることが多かった。 また,古い録音で音楽性が高いCDがとても良く再生されるのも, この91Bタイプシングルアンプの大きな特徴である。

 以上ですが,大変素晴らしいアンプをありがとうございました。 今後とも末永く使用してゆきたいと思います。

試聴用メインシステム
ADプレーヤー:ノッティンガム スペースデッキ&ガラード 301
カートリッジ:オルトフォン SPU-GE,ライラ クラビスDC など
マスタークロック・ジェネレーター:G-0S(P-0Sと同期)
CDトランスポート:エソテリック P-0S(アップ・サンプリング バージョンアップ済み)
DAコンバータ:マークレビンソン No.360L
プリアンプ:マッキントッシュ C-42
フォノイコライザー:上杉 UTY-6
アコースティック・イコライザー:アキュフェーズ DG-38
パワーアンプ:上杉 U-BROS21(300B PP)
メインスピーカー:タンノイ ウェストミンスター・ロイヤル
JBL オリンパスS8R

このメインシステムのウェストミンスター・ロイヤルに,
91Bタイプシングルアンプを接続し,
上杉 U-BROS21と切り替えて使用中です。
 
以上、Kさんから早々にいただいたレポートですが、
管球アンプの大御所 上杉佳郎氏のU-BROSSと比較試聴していただけるという光栄にあずかりました。


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