811Aシングルステレオアンプ 
ダイナミックカップルド方式


 過去に300Bシングルやバッファーアンプを作らせていただいている長崎県佐世保市の Kさんから、今度は「光り物アンプ」のご依頼でした。出力管はお馴染み811Aですんなり 決まりましたが、ドライバーも「光り物」ということで今回はVT25の採用です。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 いつもの811Aアンプと外観上大きな相違点はありませんが、


Front view 

 通電状態はご覧のとおり、かなり目立つアンプになりました。


Top view

 電源トランスを中心として半円形に真空管を配置、主役の「光り物」が 引き立つよう並べてみました。


Rear view

 SP出力は4と8Ω、入力は3系統切替装備です。


 ドライバー管VT25のために追加したヒータートランス2個や ハムバランサーのため内部はかなり込み合いました。
内部拡大写真は こちら

基本回路図


 お馴染みドライバーと出力管を直結にして、グリッド電流を流しながら 使うダイナミックカップルド方式です。今回は811AにRCA製を採用、 出力を欲張らず電圧・電流とも控えめにしてあります。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 10W+10W 所要入力 800mV
歪率 0.2%以下1KHz1W時
周波数特性 10Hz〜34KHz(−1dB)
ダンピングファクター 2.5 
残留ノイズ 1 mV以下 補正なし
消費電力 180W
本体サイズ 410Wx320Dx225H
重さ 19Kg

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 今回も、色々とお願いばかりして素晴らしいアンプを作っていただき、心から感謝いたします。 出来上がって送られてきたアンプを手にし、電源入れ音を出すとき、 どんな音色なのかワクワク感がたまらなく好きです。 どんな音色で奏でてくれるかな、音の高域に馬力があるな、 いや、なんでこんなに音が出るの、成る程、成る程、自己満足を越え光と音に酔いしれています。 300Bと429Aバッファ−に続き、フィラメントが煌々と輝くトリウムタングステン球 VT25と811Aのオレンジ色はまさしく真空管といった感じで良いです。 明かりを落とした部屋での存在感は格別です。 300Bと比較して高域の透明度の高さ,これも811Aの特性でしょうか。 高域の重心が高いように思いました。クラッシックでは300Bと タムラトランスの組み合わせに軍配が上がり、全体的に厚みがあります。 音に対してあれやこれや言って聴く人の好みもあるでしょうから。 ぴーんと張った音の表現は良く大変すばらしいです。 今、JET STREAMの「小さな喫茶店」「ラスト・ワルツ」 「奥様お手をどうぞ」などを聴きながら文章を作っています。 811Aはどちらかと言うと、ラテン、ジャズ、ストリングス系が良いです。 出力を欲張らずに設計してもらったせいでしょうか。 山中様のアンプ製作に対する情熱は、音がきちんと答え歌ってくれます。 我が家に来たアンプ養子君、何時までも大事に大切に育てて行きたいと思います。 しかし、INPUTしたら、がんがん、きばってOUTPUTしてや。 素晴らしいアンプをなでなで、あっちち、触っちゃいけない。油分が付いちゃいけない それこそアルコ−ルで拭いてあげ、光が灯り管が酔ってうなりを上げてくれないことには 話にならない。私、アルコ−ルが入ると、バタンキュ−。音楽を聴く処でない。 今や真空管を知らない方が沢山います。真空管?それ何。 今時そんな古いもので作ってどうするの、、、あのねのねで話は終わり。とんでもない。 色んな球で何台でも作って頂きたい気持ちです。(欲張りすぎかな) 愛好家からのオ−ダ−が続いています、既製品にない素晴らしいアンプを これからも発表してください。今後とも宜しくお願いいたします。

以上、長崎県佐世保市のKさんからいただいたレポートでした。


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