6L6GCppステレオアンプ
三結/UL切替付き


 大阪・堺市のKさんから、自作アンプの譲り受けたものがあり、 自分でも少しいじってみたが、もう少しなんとかならないかという相談でした。 色々相談しながら最終的な回路やデザインを決定、出力トランスも 大型を奮発して生まれ変わったアンプです。  

回路図

測定結果

ユーザーレポート


  今回は周りからグルッとと見ていただきます。(目が廻ったらゴメンナサイ!)

 部品配置は電源部を中心として左右対称、元のアンプのパーツを出来るだけ活かすため 電源トランスのノグチPMC−283M、出力管6L6GC、前段の12AX7および 12AU7はそのまま左右に振り分けて配置しました。出力管はこのほかEL34、 KT88なども差替え使用可能で、そのさい個々の電流値を測定するためのチェック端子や DCバランス用のVRも設置してあります。さらに出力管の動作は三結/ULおよびNFBの強弱が 上面電源トランス手前の切替スイッチで選べる欲張った設計です。


 電源トランスの前のスイッチが手前から入力選択、NFB強弱そして 三結/ULの切替スイッチです。


 元から付いていた出力トランスはやや貧弱でしたので、タンゴFX−40を 奮発、色はピアノブラックに塗り替えてあります。

 内部は各種切替スイッチやチェック端子のための配線でやや混雑気味です。
 内部拡大写真は こちら

基本回路図

 


 元のアンプに付いていた球が12AX7と12AU7でしたので、 それを活かすためオーソドックスなカソード結合Mullard型です。 出力管の動作は三結とULがスイッチで選べますし、差替えも楽しみたいということで その場合に個々の出力管の動作状態とDCバランスをチェックできる端子も備えました。 各出力管のカソードに挿入した10Ω両端の電圧を測定します。 この10Ωの影響は僅少かもしれませんが、 測定時以外はスイッチでジャンパーするようにしました。
 NFB量は出力管の種類、動作状態で若干の差がありますが、 切替スイッチ強で概ね18dB、弱で12dBとなります。 補正処理は万全を施してありますので、 いずれの条件のときにも発振など不安定な要素は見受けられません。
 電源部は元々ダイオード整流でしたが、6AX4を2本使った両波整流に変更しました。 ヒーター電流は余っていましたし、6AX4自体安価な球ですからこの部分での コストアップはあまりありません。チョークは手近に1.5H150mAのものが2個あったので、 これを使って左右電源分離を図っています。 

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力管の差替えや動作が各種選べますが、
以下に代表的な動作例を示します。

6L6GC使用三結NFB弱
出力 8W+8W 所要入力450mV
全高調波歪率 1KHz1W時 0.3%以下
再生周波数帯域 10Hz〜66KHz(−1dB)
ダンピングファクター 6.2 
残留ノイズ 0.3mV以下

6L6GC使用UL接続NFB強
出力 12W+12W 所要入力1000mV
全高調波歪率 1KHz1W時 0.15%以下
再生周波数帯域 10Hz〜112KHz(−1dB)
ダンピングファクター 10.4 
残留ノイズ 0.3mV以下

EL34使用三結NFB弱
出力 12W+12W 所要入力500mV
全高調波歪率 1KHz1W時 0.3%以下
再生周波数帯域 10Hz〜74KHz(−1dB)

EL34使用UL接続NFB強
出力 22W+22W 所要入力1300mV
全高調波歪率 1KHz1W時 0.15%以下
再生周波数帯域 10Hz〜120KHz(−1dB)

本体サイズ 380Wx330Dx190H
重さ 14KG
消費電力 136W

 

測定グラフ

これも種類が多いので代表的なものの表示にとどめます。

ユーザーレポート


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