829B単管プッシュプル ステレオアンプ 
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 1年半ほど前に2A3トランス結合シングルアンプを作らせていただいた 埼玉県朝霞市のKさんから、無線愛好家だった父親譲りの829Bという 変わった真空管があるので、これでオーディオアンプを作って貰えないだろうかという ご相談でした。
 829Bは無線機のAF変調・RF増幅などに使われた球で、 外観は3C33に角を2本生やしたような形をした愛嬌のある形をしています。
 過去にいろいろな方が試しておられるようですが、今回はこの球から オーディオアンプに相応しい高音質を引き出すことを主眼に設計してみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 アンプのデザインはご本人の希望もあり、 以前お作りした2A3シングルと同様のものとしました。


Top view

 トランス類も前作同様、すべて橋本製です。


Rear view

 


内部拡大写真は こちら

基本回路図


 2A3の時と同じようにトランスドライブがご希望でしたから、 回路そのものはいたってシンプル、ただし出力管829Bは ビーム管ですので、オーディオアンプとして使うためには 負帰還の使用は避けて通れません。いつものように出力管のみに P−G帰還をかけて内部抵抗の低減に努めました。
 プレート電圧を上げ、スクリーン供給電源の安定化を図れば 出力増大も可能ですが、10W程あれば十分ということでしたので、 回路の複雑化を避けシンプルにまとめてみました。
 なおこの回路を追試される場合、プレート電圧は600Vまで供給可能ですが、 SGの許容電圧が225Vですから、これを大きく超えないよう注意してください。 このアンプでも無負荷時は10Vほどオーバーしていますが、 プレート電圧は400V未満と低いですし、 出力につれてSG電圧は下がりますのでまず心配はありません。

829Bについては こちらの資料を参照下さい。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 9W+9W 所要入力 900mV 
歪率 0.5%以下(1KHz1W時)
残留ノイズ 0.5mV以下 
周波数特性 13Hz〜25KHz(−1dB)
  ダンピングファクター 1.3

消費電力 113W
本体サイズ 375Wx285Dx190H
重さ 16Kg

  入出力特性

出力対歪率特性

周波数特性

ユーザーレポート


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