811Aダイナミックカップルドアンプ 
808共用タイプ


新潟市の I さんからの依頼で久々に811Aダイナミックカップルを製作しました。
今回は将来808も楽しみたいということで、前段の動作点と
出力管のフィラメント電圧切替スイッチを設けて対応してあります。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view

左右対称にパーツを配したデザインで、初段管717Aとドライバー6L6は それぞれ6SJ7、5693およびEL34などとそのまま互換性がありますので 音や雰囲気の違いも楽しめます。


Front view

今回お渡しするアンプには含まれていませんが、電源トランスのうしろにある 切替スイッチで808への換装も容易に出来ます。


Top view

トランス類はすべてタンゴ(現ISO)製ですが、電源のみは808用に7.5V6A巻線を追加した 特注トランスとなりました。

Rear view

入力は3系統切替で、選んだソースを他のアンプでも利用できるよう LINE OUT端子を設けてあります。SP出力は4と8Ω

inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


 回路は当工房の定番となったダイナミックカップル方式で、今まで発表したアンプ群と共通です。 これに今回は前段動作点と出力管フィラメント電圧の切替を設けて、 811A-808共用アンプとしました。 過去の共用アンプとの相違点は、いままでドライバー段のみの動作電圧 切替だったのを、初段も含めて変わるようにしました。808の時には ドライバーのバイアスも深くなるので、その分初段の出力電圧も稼いだ方が 理にかなっていると判断してのことです。
 どちらもこのダイナミックカップル方式のアンプにはうってつけの 出力管ですが、811Aは送信機の補修用パーツとしてロシア・中国製が 廉価に入手できるのが魅力、一方808は送信管アンプの先駆者、故・宍戸公一氏の 製作記事で紹介され、その中でWE300Bに勝るとも劣らない音質と評価された、 送信管族の中では白眉の逸品です。 ただ流通量の少なさも手伝って昨今異常な高値になっており、 良品の入手には苦労します。
 なお初段管の717Aは6SJ7や5693に、ドライバー6L6は EL34などにそのまま差替え使用可能なのは従来通りです。   

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

今回お渡しするアンプに808は付属しませんが、
工房手持ちの808でデータ採取してあります。

基本性能

出力 15W+15W 所要入力1200mV(811使用時)
   13W+13W 所要入力1200mV(808使用時)
全高調波歪率 0.5%以下(20Hz〜20KHz 1W時)
再生周波数帯域 10Hz〜70KHz(−1dB)
ダンピングファクター 3.4(811)3.0(808)
残留ノイズ 0.5mV以下(補正なし)
消費電力 180W(811)200W(808)
本体サイズ 410Wx320Dx200H
重さ 21KG

  入出力特性

歪率特性

歪率特性

一概には言えませんが808の場合、歪の出方など良く整備された300Bシングルと
非常に似た傾向を示しています。このあたりがこの球の高音質の秘密でしょうか。

周波数特性

周波数特性

ユーザーレポート


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