811Aダイナミックカップルドアンプ
.

東京・目黒区のIさんからご注文いただいた定番の811Aアンプですが、
今回は出力トランスにタンゴFC−30を奢ってさらなる 高音質を目指しました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

フロントパネル中央には氏の要望で他の使用機器との デザイン上のマッチングを考慮してパワーランプを設置しました。

Top view

出力トランスの大型化にともない、シャーシサイズは 400x300となりました。
二本の5693の間にあるのがNFB切替スイッチ、 約7dBと11.5dBの強弱2段です。

Rear view

入出力端子類はすべて上面に設置しましたので ラックなどの奥行きをフルに活用できます。

inside


基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




回路は例によって初段5693、6L6のカソードフォロア直結という 毎度おなじみの構成です。
NFBは二組のスピーカーを使い分けられるそうですので、 それに対応できるよう強弱2段の可変としました。

測定データ

入出力特性、歪率、再生周波数帯域いづれも 過去の作品と同等以上でしたのでそちらを参照願います。
今回、大型出力トランスの採用で低域の歪率改善がとくに目立っていましたし、
試聴でも余裕のようなものを感じました。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 811Aアンプが我が家に来てから早くも10日余りが経ちました が、その間、元気にアルテックを歌わせてくれています。

  現在811Aアンプを組み込んでいるシステムはCDプレーヤーが ビクターのXL−Z999、プリ・アンプがLUXMANのCL−32、 スピーカー・システムがアルテックのセビルという構成です。
 今は、諸般の事情から仮の設置場所での使用となっておりまし て、残念ながらアナログ・プレーヤーは未接続という状況ですが、 まずはファースト・インプレッションをご報告致します。

 まず、アンプ自体の仕上がりですが、内外装を含めてプロのお 仕事ということが良く分かる作品で、大変に手際よく丁寧に造ら れており、所有していることがまず喜びです。実際に作品を見て、 ウッド・ケースの構造を知り、初めてパワー・ランプ追加のご苦労 が分かりました。我が儘な要望に快くご対応頂き、本当に有り難 いと思いました。強いて欠点を上げるとすれば、スピーカー端子を 上面に配置して貰いましたが、 極性表示が上からでは識別しづらいこと位でしょうか。

 さて、アンプの再生音ですが、私の希望を元に山中様にお勧め 頂きました当アンプは、私の期待通りに大変元気の良い音がし ます。
 ボーカリストはステージから客席へ降りてきて、目の前で 歌ってくれます。ソースによっては少しマイクに近づき過ぎと感じる 場合がありましたが、その時はツイーターのアッテネータを少し絞 るか、プリ・アンプのイコライザーを活用すれば程良い熱気のステ ージが再び展開されます。
 また、ウッド・ベースの箱鳴りや、バス・ドラムのヘッドやシェルが 振幅・共振する様が肌で感じられるような豊かな余韻を再生して くれます。
 全体的には、スタジオ録音であってもライブな雰囲気を醸し出し てくれる、情熱的なアンプであると感じています。正に私が望ん だ通りの音楽再生をしてくれる頼もしい存在です。

 今後とも末永く愛用していきたいと存じますので、これからもどうぞ 宜しくお願い致します。

以上、東京・目黒区の I さんからのレポートでした。


ギャラリーへ戻る