DA100トランス結合シングルアンプ 
モノラルx2


 新潟県新発田市のHさんから、初めてこのDA100アンプのご相談を いただいたのは昨年の春でした。その後いろいろあり正式に決定したのは 今年夏、ようやく完成となりました。今では入手困難な貴重な球ですが、 それに相応しい構成・部品で組上げてみました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート


Front view 

 全体のスタイルは使用部品が似通っているため、 以前作ったDA60(No.190)とよく似たデザインとなりましたが、 DA100が大きいため横幅は若干広くなっています。



Top view

 トランス類は毎度お世話になっているタンゴの特注品を中心に 構成されています。とくに本アンプ要の出力トランスはお馴染み S2108、前作の4212でも使ったシングル用50W(35Hz)という 最大級のものです。電源トランスもついでに巻いてもらいましたが、 OPTと同じケースを指定して統一感を出しました。


Rear view

 入力はUTC A20を使ったバランス受けと RCAアンバランス、SP端子はバイワイヤリング対応とするため4、8Ωを 単独で設けてあります。


本アンプに使用の真空管

 左から整流管WE422A、出力管GEC DA100、ドライバー GEC KT66、初段管STC 6J5です。 写真で分かるようにDA100は独特のフォルムと特殊なベースピンを 持った大型管で高さは180mm、太さは65mmあり、 この前のDA60よりさらに一回り大きく、 黒化された巨大なプレートには複数の放熱板が付けられています。 特性は845あたりに良く似ていますが、フィラメントはトリタンではなく、 DA30などと同じ酸化皮膜です。ただ熱容量は大きいようで、 電源を落としてもすぐに音が消えず、徐々に小さくなってゆきます。
DA100のデータは こちらを参照下さい。

  内部拡大写真は こちら

基本回路図


 初段電圧増幅はL63/6J5、CR結合でドライバーKT66につながり、 いつものNC−20Fで強力にDA100をドライブします。DA100は本来 AB級PPアンプ用の大出力三極管ですが、特性曲線からシングル動作の最適値を 読み取りました。本アンプでの動作環境はプレート実効電圧835V、バイアス電圧125V、 プレート負荷5KΩ、プレート電流96mAとなっています。 最大出力はドライバーが強力なのとDA100の消化力が大きいため 明確なクリップ点が現れませんが、5%歪で25W、その後もサイン波の 頂点が丸くなりながら10%で30Wに達します。 

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

基本性能

出力 25W  所要入力 1600mV
歪率 0.5%以下(1KHz1W時)3%以下(同10W時)
周波数特性 12Hz〜56KHz(1W時−1dB)
ダンピングファクター 2.5
残留ノイズ 1mV以下 補正なし

消費電力 135W
本体サイズ 430Wx380Dx230H
重さ 25Kg

 

ユーザーレポート


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