EL34三結シングル ステレオ
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少ない投資で高音質が得られる真空管アンプとして人気のEL34ですが、
今回は依頼者のデザインへの拘りもあり、相談の結果生まれたスタイルです。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

左端に2台の出力トランス、電源部は右側にまとめ、 その間に真空管を配置、ご要望でヘッドフォンジャックを装備しました。

Top view

シャーシサイズは300x210、 EL34は出力トランスU−808の背が低いので落とし込みにしました。

Rear view


inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


測定結果

測定結果は前作EL34とほぼ同じですので、 そちらを参照ください。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 何よりも先ず、こちらの注文や質問に丁寧に応じていただいたことに 大変感謝しております。お忙しいであろう中、いつも迅速なご返事を頂いて、 それだけでも有難く思います。その上で、数度に渡る連絡を通して、 こちらの、当初はかなり抽象的だった思いが、次第に現実の形になった のですから、今目の前にあるアンプは、文字通り「世界で一つだけの宝物」 です。単に「手作り」というだけではなく、自分が作ったわけではない にしても、ちゃんと自分の思いがこもっていると感じられます。

 肝心の音質、リスニングの感じですが、大いに満足しています。 使用しているスピーカは20年ほど前に購入したRogersのLS3/5です。 購入時にはとても気に入って買ったのですが、最近、特にCDをメインに 聴くようになってから、高い音がヒステリックに聞こえるときがあり、 スピーカを買い換えようかと思っていたところでした。が、山中さんの アンプに替えたら、この問題は魔法のように消えてしまいました。 そればかりか、元々人の声には定評のあるスピーカですが、その実力を 十二分に、これまで以上に発揮しているように感じられます。 ルネッサンスの声楽アンサンブルなどを聴くと、まるで教会にいるかの ような錯覚さえします。 また、定位も大きく改善されたように感じます。やや中央にまとまって 感じられるとも言えますが(したがって、以前よりもリスニング・ポジションが 自然に前のめりになりますが、音が全く耳障りでないので、スピーカに 近づいていても全く気になりません)極めて自然に聞こえます。

 最初の注文の時に「小さな音量でもちゃんと音楽になるようにして下さい」と 無茶なお願いをしたのですが、これも、これまで使っていたアンプ(イギリス製 の、値段で言えば、山中さんのアンプよりも高価だったように記憶しています) を完全に凌駕しています。おかげで、真夜中でも以前よりも楽しく音楽が 聴けるようになりました。

 何よりも嬉しいことは、繰り返しになりますが、自分なりに気に入っていた はずのスピーカが、あらためて本当に魅力的に感じられるようになったこと です。このスピーカとアンプの、いわゆる相性がいいのか、それとも、アンプの 駆動力が優れているのか、私にはわかりませんが、どちらにしろ、我家の スピーカが完全に生き返って、楽しげに音楽を鳴らしていることは確かです。 声楽と室内楽は完全に文句無し。目の前で演奏しているかのように生々しく 聴こえます。ジャズも大丈夫。 オーケストラは、さすがにコンサート・ホール全体を感じさせるような ことはありませんが、それをミニチュアで再現しているような感じには なります。私にはこれで十分です。 毎日音楽を聴きながら、作っていただいたアンプに見惚れつつ、 「電気的機械のくせに、まるで楽器みたいだ」と感心しています。

 最後に、あまりに音楽的に充実しているので、しばしばアンプの「サイズ」が わからなくなることも、面白く感じています。実際に、客観的に、冷静に 眺めれば、実に小ぶりなアンプです。しかし、あまりに働き者なので、 やけに存在感があり、小さな巨人のように思われきます。そうすると、 トランスの黒々とした姿や真空管が、まるで城砦か何かのように 威風堂々とした姿に見えてきます。が、やはり、あらためて眺めれば、 本当に小さな可愛いアンプです。 このような錯誤も、なぜか気に入っております。

 本当にありがとうございました。音楽を聴く時間が倍増して、嬉しく、かつ 困っています。 また、真空管のアンプがあまりにチャーミングなので、必要もないのに もう一台欲しくなるほどです。 これからも素敵なアンプを作って、音楽愛好家を喜ばせてあげて下さい。

以上、岡山県総社市のHさんからのレポートでした。


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