211/845フルコンパチ超弩級シングルアンプ |
モノブロックx2 |
過去に300B/PX25コンパチアンプなども製作させていただいている宝塚市の Fさんから、さらなる夢を求めて相談されましたが、それではどこにも無いような アンプということで、送信管211と845を味わい尽せるアンプに 話が発展してしまいました。ドライバー・出力段共に211もしくは845のいずれかを使うという 超弩級の形容詞に恥じないビッグなアンプの完成です。 |
Front view
トランス類はドライバートランスのNC−20を除いてすべてタムラ製で統一しましたが、
タムラさんにこのNC−20に匹敵するものが無いのが残念です。いちばん後ろに3個並んでいるのは
1600V10μFのオイルコンですが、シャーシと共色に仕上げました。
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Top view
1台あたりの総重量は30Kgを超えますので、
真ん中両サイドにウッドケースから抜き出す時のための取っ手をつけました。
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Rear view
左から入力端子、SP出力、高圧部保護ヒューズ、通常の電源ヒューズそして
電源インレットです。
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前方中央に電流計を配置、上部のスイッチ切替で出力段・ドライバー段それぞれの
電流を監視できます。両脇にあるスイッチは出力管・ドライバー管の動作切替用で、
不用意に触れて誤動作を招かぬよう、一旦上に引き上げてから倒す構造の
ロック付きスイッチを採用しています。
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これは何でしょう? じつは下の写真のようにアンプを裏返して
内部点検などするさい、重いアンプを持ち上げなくともこのパネルを
両側につけておけばそのままゴロンと転がすだけでひっくり返ってくれますし、
真空管の頭がつかえるのを防止してくれます。配線作業や調整時の小道具ですが、
アンプいじりが好きなFさんのためにこれもオマケでお付けしておきました。
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ひっくり返されて裏返しになった亀ならぬアンプです。
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内部は高圧電源部のケミコンがスペースの大部分を占領していますが、
経年劣化の避けられないパーツですから各ブロックごとに端子板にまとめ、
将来の交換が容易なようにしてあります。
内部拡大写真は こちら |
赤丸数字@〜Gの電圧はドライバーと出力管の組合せによって変わり、以下のような配分になります。
ドライバー | 出力管 | @ | A | B | C | D | E | F | G |
211 | 845 | 830V | 53V | 840V | 1000V | 123V | 1022V | 1033V | 1045V |
211 | 211 | 848V | 54V | 857V | 1030V | 54V | 1044V | 1053V | 1063V |
845 | 845 | 843V | 121V | 850V | 998V | 121V | 1021V | 1035V | 1045V |
845 | 211 | 863V | 124V | 872V | 1032V | 54V | 1048V | 1056V | 1066V |
回路は初段がC3gを2本使ったSRPP、ドライバーは211・845
どちらも使えるようバイアス抵抗の切替を装備しています。またこの段の
ハムノイズは出力段でさらに増幅されますから極力低く抑えるため、グリッドに
その一部を加えて打ち消すGF回路を採用しました。またドライバートランス
二次側から初段カソードに軽くNFBをかけて完璧を期しました。 NC−20はドライバー管の内部抵抗1〜10KΩと、じつにに幅広く適応する 優れたトランスで、ここにNC−14などの小型のものを使ったのでは 今回のように性格の異なるドライバー管差替えの芸当は難しくなります。 出力段も同じくカソード抵抗の切替を持ち211・845両用となっていますが、 この段はNFBのループ外ですから出力管の性格そのものが出力として現れてきます。 それぞれのカソード抵抗手前に入っている100Ωは電流検出用の抵抗で、 この両端は切替スイッチを介してメーターにつながっています。 ドライバー段は211、845共に約18mA、出力段は211で 50mA、845の時は75mAです。 高圧電源部はトランスの規格とスペースの制約からダイオードにる 倍電圧整流としましたが、タイマーリレーによる遅延回路を設けました。 平滑コンデンサーも容量とスペース確保のためケミコンを多用しましたが、 3〜4段重ねでは高域インピーダンスが上昇するのは免れませんので、 その緩和策としてオイルコンデンサーを抱かせてあります。 さてこれで211・845をそれぞれ4本づつ用意すれば4種類の組合せが 実現出来る訳ですが、今回用意した真空管はGE211とセトロン845。 しっとり艶っぽさのある211、馬力があって切れ味爽快な845、 それぞれの特徴が出ますので、同じ211や845でも過去に作ってきた 45や300Bによる直熱管ドライブとはまた趣の違う、楽しめるアンプに仕上がりました。 個人ベースではこれと同等もしくはさらに手の込んだアンプを作られる方もたくさん おられるでしょうが、 商業ベースの受注製作でここまでやるところはそう多くないと思います。アイデアはあるが 実際面でつまづいておられる方、夢の実現に向けてお手伝いをさせていただきます。ご相談ください。 |
基本性能
組合せ | 出力(W) | 所要入力(mV) | 歪率(1KHz1W時) | 再生帯域(-1dB) | DF |
211-845 | 24 | 1200 | 0.16 | 6Hz-27KHz | 3.3 |
211-211 | 15 | 500 | 0.9 | 11Hz-17KHz | 2.0 |
845-845 | 24 | 1600 | 0.17 | 7Hz-27KHz | 3.3 |
845-211 | 15 | 700 | 0.65 | 13Hz-16KHz | 2.0 |
1台あたり
消費電力 195W
本体サイズ 430Wx430Dx270H
重さ 31Kg
入出力特性
出力対歪率特性
____1KHz ____100Hz ____10KHz
周波数特性