300B/PX25トランス結合シングル
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過去に2A3PPや811Aシングルを作らせて頂いているFさんからの 、
300Bを最高の状態で楽しめるシングルアンプという依頼でした。
途中から折角のアンプだから欧州管PX25系の球もとなり、
差し替え可能な設定も盛り込みました。
元々弄り回すのがお好きなFさんで、このアンプもそれを想定して
各真空管は個別のサブシャーシに組んでありますから、
初段管やドライバーも恐らくこのままで落着くとは思えません。(^_^;)

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

アンプはモノラル構成で、1台あたりのサイズは 約300Wx380D

Top view

トランス類はタムラが主体ですがドライバートランスは 性能重視でタンゴNC−20を採用、再塗装ですべてを同一カラーにまとめて 違和感をなくしました。

Rear view

真中に見えるタイマーリレーは水銀整流管を将来採用予定のためで 今は使っていません。

inside

内部拡大写真は こちら

Socket

出力管ソケットに山本音響のUF−UXコンパチタイプを採用、 ピンが独立していますので300BとPX25のバイアス抵抗、 フィラメント電圧供給などそれぞれ個別に配線できます。

PX25ナス管装着時


基本回路図

(NFBおよびメーター回路は省略)


初段はWE436A、ドライバーがEL34それにNC−20で ドライブという
300Bを生かすには最高の組み合わせを 考え、それなりの好結果が得られましたが、
上にも書きましたようにいつまでこの状態で 楽しんでいただけるか不明ですし、
Fさんの手でさらに育て上げていただければと思っています。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

なお、NFBは出力トランス2次側から初段カソードへ 戻すオーバーオールで
0、2,3,5dBが選べるようにしてありますが、 そのうち代表的な動作を掲載しました。
またPX25につきましては完成時点でFさんが未入手でしたので測定していません。

入出力特性

最大出力は10Wを軽く超えてしまいますが、300Bへのドライブ入力電圧を 見てみると
100V以上まで振込んでいます。A1領域の50Vですと 8W出力でここまでが普通のアンプと同じ動作ですが、
強力なドライバーとNC−20でさらにA2領域まで波形の上下が 崩れずに振込んでいるのを確認出来ました。
カソードフォロアでA2まで振込む手法は良くありますが、 それとは一味違う中身の濃い音で、
大型ドライブトランスNC−20の 底力が感じられ、通常のトランスの3倍以上の投資に応えてくれました。

歪率特性

歪率特性

再生周波数帯域

18Hz〜38KHz(-0.5dB)と無帰還300Bシングルとしては驚異的な周波数特性です。
これもNC−20の優秀性にあずかるところが大で、 特性の良さがアンプの
すべてではありませんが、 NFBや回路構成に頼らず得られた意義は大きいと思います。

ユーザーレポート

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