VT52トランス結合パラシングル
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過去にKT88ppやPT15シングルなどを作らせていただいた Fさんから、
VT52が4本手に入ったので料理お願いしますと依頼がありました。
4本→PPと短絡的に行きたいところですが、
45と同様 シングルで使ってこそ味のある球です。
そこでパラシングルに決定、 非力さも克服することにしました。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

いつものカリン材ウッドケースにゆったりと配置してみました。

Top view

出力とドライバー、電源トランスは橋本を採用、前段真空管は 6SN7の前身にあたるトップグリッドの6F8です。

Rear view

スペースに余裕があるのでフィルムコンの後ろにハムバランサーを配置しました。

inside

内部拡大写真は こちら

基本回路図


(増幅部は片CHのみ表示)

前段は6SN7でも良かったのですが、トップグリッドの方がかっこいいということで
6F8を採用、VT52のバイアスが深いのとドライバートランスを1:1で 使うため
ここでのゲインは稼げませんから前段は2段増幅としてカップリングには WIMAを使ってみました。
出力管VT52はドライバートランスの2次巻線を個別に使ってそれぞれに供給しています。
電源部はパラシングルということで300Bアンプ並みの容量が必要で、 整流管は5Z3の出番となりました。

測定結果

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

500mVの入力でクリップ出力4.9Wが得られ、 ちょうど2本分の出力です。

歪率特性

1Wまでが1%以下に収まっており無帰還アンプとしては 標準的な値です。

再生周波数帯域


23Hzから24KHzが-1dBで結構広帯域です。
ダンピングファクターは2.2となりました。

ユーザーレポート

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