DA30シングル 直熱管トランスドライブ
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大阪・南千里のDさんからいただいた依頼はタンノイの
モニターレッドに相応しいアンプをという注文でした。
DA30の採用は当初から決まっていましたが、
ドライバーと 出力トランスの選定でさらに高品位の音質を確保しています。

回路図

測定結果

ユーザーレポート

Front view

出力トランスにはパーマロイコア採用のタムラF7000シリーズからチョイス、 電源トラナスもそれにあわせて8000シリーズを採用しました。

Top view

後列左からOPT、DA30、オイルコン、電源トランス、 前列は段間トランス、DET9、L63、チョーク

Top view

入出力端子はすべて上面配置、スピーカーは8,16オーム対応

Rear view


inside

電源部にブロック型オイルコンを採用とトランス結合のため 内部はゆったりしています。初段とドライバー段とのカップリングは マイカコンデンサー、DA30のソケットには山本音響製テフロン 金メッキピンなど高品位パーツを多用しています。

今回使用の真空管

左からドライバー用のDET9、DA30、初段L63

基本回路図(増幅部は片チャンネル分のみ表示)




初段は低μのL63(6J5)マイカのカップリングを経て ドライバーDET9に送られます。
DET9はあまり見慣れない 直熱三極管ですが直線性も良くμが7、
フィラメントも2V0.3Aと ノイズ面でも有利です。なによりその姿かたちがDA30の 小型版というのが気に入りました。
この回路定数での内部抵抗は約5KΩになり、ドライバートランス2次側 オープンでは
高域に若干ピークが出ますので30Kでダンプしています。
出力管DA30は旧タイプのナス管ですので、実質プレート電圧 390V、電流57mAとかなり控え目な動作です。

測定データ

当工房のアンプはすべて詳細な測定を実施しております。
データで音がわかるわけでもありませんし、物理特性を 追求するアンプでもありませんが
お渡しするアンプの 健康状態だけは把握しておきたいと思っています。

入出力特性

クリッピングポイントは約8Wで所用入力は650mV、 残留雑音は1mV以下でした。

歪率特性

再生周波数帯域

1dB落ちが低域26Hzと高域19KHz、−2dBでは 16Hz〜20KHzとなりました。
ダンピングファクターは全帯域約3.3でDA30の 内部抵抗の低さが効いています。
全体の音質はパーマロイ出力トランスとDA30の相性、 ドライバーDET9の素直さが相まって
洗練されたヨーロピアンサウンド を堪能できるアンプとなりました。

ユーザーレポート

ユーザーからのメールによる評価です。
(ご本人の許可を得て掲載しております)
 DA30アンプが我が家に来て10日あまり、時候もだんだん暖か くなり、 それにつれて、わがDA30アンプもエージングが進んできた感じ です。

 まず、長年聞き続けてきました、リヒターの旧盤のマタイが、今ま で聴いた ことのないものすごい緊張感で録音されているのが、聴き取れたこ とです。
これは、驚きでした。マランツ8では聴けませんでした。 また、私はチェロが好きなのですが、フルニエや長谷川陽子の演奏 する 楽器がちゃんと等身大で聴こえます。
ともすれば、チェロにしては ずぶと過ぎたり コントラバスのように聴こえたりするアンプもあるなか、彫りの深 い、毅然と立つ チェロが聴こえます。過去には、マークレヴィンソンのML−2L がこのような音で 聴けました。
少し気になりますのは、レコードを聴いたときに高域に少しピーク を感じるのですが、 これはCDでは感じませんので、たぶん、EMTのカートリッジと マランツ7のイコライザー の相性の問題だと思います。

 とにかく、憧れのDA30アンプで、TANNYのモニターRED 15が毅然と格調高く鳴るのが 何より嬉しいことです。 山中様には、色々と私の勝手や無理を聞いて頂き、本当に有難うご ざいました。 大阪 南千里  D   

以上、大阪・南千里のDさんからいただいたレポートです。


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